Intermezzo ページ4
Side???
朝焼けが好きだ。
たまに、そうまじまじと思う。
作業室で明かした夜の先に、朝が降ってくる。時間てやつはどうしようもなく有限で、いくらあったって足りなくて、泣いたって蹲ったって朝はきてしまう。
また夜が終わってしまった。夜は永遠に開けない闇みたいな顔をして、案外あっさり空に朝を明け渡す。
それでも朝焼けが好きだ、と最終的に言えてしまうから、俺は今も生きている。
曲を作るのは好きで、時間がないのが嫌いだ。眠るのも食うのも二の次だし、これにはそれ相応の価値があると思ってる。
そう、朝焼けを好きでいられるのは、それに価値があると信じているからだ。
俺の努力が全て浪費じゃないように。暗闇の中を歩けるのは、先に出口があると信じるからだ。あたり一面、暗闇でしかなくても、何も見えなくても、その先に見えない光があると信じるから。
その道は一人でしか歩けないと思っている。
周りにどんなに人がいたって、その道の恐怖を知るのは自分だけだし、歩むのだって一人だ。
ジニヒョンの顔を思い出す。ヒョンがAに話して聞かせたことは間違いじゃないだろう。
そう言えるのに、俺は今日もこの作業室で夜を明かそうとしていた。
「ヒョン」
椅子にもたれてぼんやり、もう昨日のことになってしまったAとジニヒョンの話を思い出していたら、作業室の扉がノックされた。
声で誰かはわかって、無言で迎え入れる。
「どうした」
「ヒョンならここにいると思って」
笑ってそういうが、笑顔に力はない。
「............なんだ、練習してたのか?」
首筋の汗を見てそう聞くと、はい、と隠すことなく答える。
「気分転換ですよ」
「Aのことか?」
何か思い通りにいかなかったり、心にひっか勝てるものがあると夜通し練習室にこもるのはこいつの癖だ。
それでも気が晴れずにここへ来たのだろう。
「いえ、.........................................どちらかというと、ヒョン達がAにしてた話です」
「ジニヒョンの?」
「..........やっぱり。ヒョンならわかってくれると思って」
無言で端にあったスツールを引き寄せてやった。
「別に、間違ってるとか、正しいとかいうつもりはないんです。ただ、なんていうか..........」
「誰かに話したかった?」
「はは、エスパーみたいだ。..........そうです。なんか、誰かに共感して欲しくて」
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飴雨(プロフ) - チュゴラ...(°д°) (2022年1月9日 22時) (レス) @page49 id: 611491bcf0 (このIDを非表示/違反報告)
もこもこ - 名前まんまです笑カタカナにすらしていません。たまに名前を変えるときはユウって入れています。どっちも2文字なので字数オーバーしたことはないですよ。いつも楽しみに読ませていただいてます!ユンギペンより (2020年5月22日 23時) (レス) id: 29b5bff5d8 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 作品が大好きでいつも楽しみにしてます。名前思いっきり本名カタカナで入れてますwww (2020年5月20日 12時) (レス) id: 910148a662 (このIDを非表示/違反報告)
sai - 前の作品も読みました!!いつも楽しみにしています。フラグ回収がいつも凄くて‥‥!更新応援します! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 4245d4dd85 (このIDを非表示/違反報告)
a(:(プロフ) - 月と書いてユエという中国読みがあるらしく、その名前で設定しています。リクエストは特になく、いつも楽しく読ませて頂いてます。ありがとうございます。 (2020年5月19日 21時) (レス) id: d60ff01a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すばる | 作成日時:2019年12月24日 1時