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Side SH



「君はどう思う、Aくん。やりたいことがあるのに、それができない。自分がどんなに優れたものを持ってても、本当にやりたいことには手も足も出ない」

『.....................』



シウは、歌が上手い。絶対音感を持っていて、大抵の楽器は弾きこなせる。対して音楽の道を志すウヌは、実はそんな弟に憧れて音楽に魅入られてしまう。
このドラマは互いに持たないものを求めてしまう兄弟、という設定が重要な役割を果たす仕組みになっている。

Aに、似てる。


アイドルなのに、歌も踊りも苦手なA。演技はものすごく上手いのに、A自身はきっと、そんなことどうでもいいんだ。
俺がアイドルじゃなく俳優なように、Aが自分で決める自分のアイデンティティはアイドルであることにあるんだから。


今まで必死に頑張ってきて、それでも怪我をして結局今、アイドルの仕事ができないAのもどかしさは、シウが持つ感情と似ている。


Aはきっとそのことに気づいてない。

Aは自分の中に役を作ると言った。その役に喋らせてるってことは、そこにAの感情は入っていないことになる。

Aは物理的に不器用だけど精神的にはかなり器用な奴だから、自分の中に役の人格を作ってしまえばなんだって演じられる。その時、Aは役を収めるただの器になるんだから。


でも、監督は今、器になったAを目覚めさせようとしてる。Aとよく似た境遇のシウという役を使って、Aになんらかの変化を起こさせようとしてるんじゃないのか。


『......................』


Aは答えない。監督の質問の意図もわかってない。




「君は本当に、不思議な子だよAくん。君は今のままでも十分すぎるほど、俳優に向いてるよ。どうしてアイドルなんだい?」

『.........................................ヒョン達の夢を叶える、力のひとつでありたいから、です』

「君、演技に興味ないだろう」

『はい』

ざわ、と周囲で耳をそばだてていたスタッフがざわついた。監督相手に演技には興味がない、と言い放ったんだ。このまま追い出されても文句は言えない。

「そうだよね。まあ、知ってるさ。でもね、僕は君を使うよ。君はそれほどに魅力的な役者だ」

『そう、なんでしょうね。僕はよくわからないけど』

Aはいたって普通に答えた。子供っぽいのに、Aは自分の価値をよく理解してる。

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作品ジャンル:タレント
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飴雨(プロフ) - チュゴラ...(°д°) (2022年1月9日 22時) (レス) @page49 id: 611491bcf0 (このIDを非表示/違反報告)
もこもこ - 名前まんまです笑カタカナにすらしていません。たまに名前を変えるときはユウって入れています。どっちも2文字なので字数オーバーしたことはないですよ。いつも楽しみに読ませていただいてます!ユンギペンより (2020年5月22日 23時) (レス) id: 29b5bff5d8 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 作品が大好きでいつも楽しみにしてます。名前思いっきり本名カタカナで入れてますwww (2020年5月20日 12時) (レス) id: 910148a662 (このIDを非表示/違反報告)
sai - 前の作品も読みました!!いつも楽しみにしています。フラグ回収がいつも凄くて‥‥!更新応援します! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 4245d4dd85 (このIDを非表示/違反報告)
a(:(プロフ) - 月と書いてユエという中国読みがあるらしく、その名前で設定しています。リクエストは特になく、いつも楽しく読ませて頂いてます。ありがとうございます。 (2020年5月19日 21時) (レス) id: d60ff01a2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すばる | 作成日時:2019年12月24日 1時

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