あ、黄金じゃない方のマンネです ３

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Side MG


「A、おはよ」

『スンヒョニヒョン！おはようございます』

今回の撮影でAの兄役を務めるカン・スンヒョン。今勢いのある若手俳優で、Aとは五歳差、うちのメンバーでいうとジンと同Line。

人懐こい笑顔でAが挨拶するから、支えて彼の元へ連れていく。

最初の撮影時から何かとAを可愛がってくれてるようで、Aもよく懐いている。今回の俳優の中ではAがマンネなんだが、なにぶん足が不自由なせいで普段なら気づける気遣いも行き届かず本人も苦労していたところに、年齢層の広い出演者の中では歳が近いスンヒョンが歩み寄ってくれたようだった。いちいちマネージャーが本人の交友まで首をつっこむわけにもいかずもどかしかったから、スンヒョンには本当に助かっている。

SH「今日から一週間、部屋でもよろしくな」
『あ、そうでしたね。ご迷惑おかけすると思いますが』

そうだった、この二人、ホテルの部屋も同じだった。

MG「俺からも頼むな。こいつ、何かとそそっかしいから」

SH「コンサート近いんだっけ？魚の骨は骨折に効くって言ってたから俺の分もお食べ」
『それ嘘でしょう、魚嫌いだからって食べてあげませんよ」
MG「お前も野菜食えよ」

なんとなくだが、Aはメンバーに接する時とスンヒョンに接する時で少し感じが変わる気がする。
もちろんわざと距離を置いてる、とかそんなふうではなく、なんだろう。Aは、ジンに対してはこんなふうに話さないような気がする。

スンヒョンは明るくて気配りのできる人間だ。芝居を始めたのは大学生からで、芸能界に染まっていないっていうのもAみたいな人間にとってはそれだけで魅力的に映るのかもしれない。
変に気負いもなくフラットで接しやすい。


SH「ていうかお前、本当に治るの？足」

そして正直直球、素直。

『ギリギリに治る予定、です』
SH「そっか。まあ、じゃあ本当に牛乳とか飲んどけよ。気休めでもさ。病は気から、っていうしな」
『まあ、病じゃないですけど』
SH「そこは素直に聞いとくとこだろうが」

こつ、と軽くAを小突いて、さりげなくAの肩を支えた。

SH「後は俺が見とくんで、車とか止めに行ってください。確か10時からもう撮影入っちゃうんで、荷物も運んどいた方がいいってうちのマネージャーが言ってました」

MG「お、そうか。じゃあ、お言葉に甘えて。ありがとな」

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