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SideJH
真白なAの背中には、肉も筋肉も見当たらない。
いや、最低限の筋肉はある。でも、女っぽいとも男っぽいとも言い難い、絵画みたいな背中だ。
この体に、たくさんの女の子の願望が詰まってるんだろう。もしかしたら男も。
どこまでも中性的で人間らしさが欠けたような体は、初めて見たわけでもないのにやっぱり見惚れてしまう。
『おわ!?』
風呂場に足を踏み入れた瞬間に転けようとするAの腕を掴んで支える。
JH「お前.........マジで、ほんとに気を付けろよ」
『あちゃ......すみません』
片手で軽々掴めてしまう二の腕は筋肉よりも骨の感触を感じる。
JH「っあ!?ごめんA!痛かった!?」
掴んだ腕を離すと、とっさに掴んだからか、爪で引っ掻いてしまったようで細い傷がついていた。じんわりと血が滲んでいく。
『え?.......ああ、ほんとだ。痛くないんで、大丈夫ですよ』
なんでもない、とそのままビニールを巻いたギプスを引き摺って風呂場に入っていくA。その過程でも結構ごつごつギプスをぶつけている。
JH「ちょ、おいA、もっと丁寧に.....痛くないのか!?」
『え、だってこうしないと動けないじゃないですか......痛いですよ、折れてるんですから』
当然、みたいな顔をするけど、いやだからやっぱりおかしいって。
JH「なあA、お前、痛い時は痛くないようにするのがいいと思うぞ」
頭からシャワーをかけてやりながら言ってみる。身長の高いAの頭は結構高くて、腕をいっぱいに伸ばす。
『例えば、じゃあ、痛み止めをもらうとか?』
濡れた前髪の間からAの瞳が覗く。最近座ってることが多かったから、見下ろされるとやっぱりちょっとどきっとする。
JH「うん。体の使い方、だよな。まあこればっかりは個人の感覚なんだけど.....ちょっと気にしてみろよ」
いきなり理解しろ、といっても無理だろう。これは追々、ダンス練習の時にも気にしてやればいいんだろうか。
痛みを理解する、って俺自身よくわからないけど。
JH「.......ところで、ドラマの仕事、来たんだって?」
今すぐ解決できるのは、こっちのほうだ。
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飴雨(プロフ) - チュゴラ...(°д°) (2022年1月9日 22時) (レス) @page49 id: 611491bcf0 (このIDを非表示/違反報告)
もこもこ - 名前まんまです笑カタカナにすらしていません。たまに名前を変えるときはユウって入れています。どっちも2文字なので字数オーバーしたことはないですよ。いつも楽しみに読ませていただいてます!ユンギペンより (2020年5月22日 23時) (レス) id: 29b5bff5d8 (このIDを非表示/違反報告)
レイコ(プロフ) - 作品が大好きでいつも楽しみにしてます。名前思いっきり本名カタカナで入れてますwww (2020年5月20日 12時) (レス) id: 910148a662 (このIDを非表示/違反報告)
sai - 前の作品も読みました!!いつも楽しみにしています。フラグ回収がいつも凄くて‥‥!更新応援します! (2020年5月20日 0時) (レス) id: 4245d4dd85 (このIDを非表示/違反報告)
a(:(プロフ) - 月と書いてユエという中国読みがあるらしく、その名前で設定しています。リクエストは特になく、いつも楽しく読ませて頂いてます。ありがとうございます。 (2020年5月19日 21時) (レス) id: d60ff01a2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すばる | 作成日時:2019年12月24日 1時