傘 ページ30
『松本先輩…』
潤「ちょっと心配だったから待ってた」
こんな寒い日に…ずっと…？
潤「何があったか知らないけど、傘なら貸してあげるから」
『…』
潤「だからこれ持っ…」
私はポロポロと涙を流す。
潤「…A」
『ごめんなさい、私、失礼しま────────────』
歩きだそうとした私の腕を彼が掴み、そのまま抱きしめた。
バサッと傘が落ちる。
『あ、の…』
潤「…好きな人が泣いてたら、ほっとけないよ」
『…っ』
潤「どうしていつも俯いてんの？どうしていつも悲しい顔をしてんの？」
雨に打たれて、それでも彼は私を離さない。
潤「もう、そんな顔すんなよ…」
『まつ、もと…せんぱ…っ』
涙が溢れる。
彼は私の背中を優しく撫でて、体を離した。
潤「…送るよ」
・
・
・
・
私は松本先輩の車の助手席に座った。
雨はまだ降り続けている。
『あの、さっきは…ごめんなさい』
ハンカチを手に持ちながら、私は言う。
潤「俺の方こそ、ごめん。一方的に感情を押し付けてしまった」
『そんな…謝らないでください』
潤「…それでも俺は、Aが好きだよ」
『…』
私はその横顔を見つめる。
彼は真っ直ぐ前を見ていた。
潤「だからもし、本当に辛くなったら、いつでも傘を差してあげるよ」
彼は、なんてね、と言って笑った。
『…ありがとうございます(笑)』
雨が車の窓ガラスに打ちつける。
その音だけが、車内に響いていた。
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檸檬 - お気持ちの回復本当に良かったですT^T 小説の続きを書いていただき本当に嬉しい限りです！ これからも頑張ってくださいね！ずっと応援し続けています♪ (2019年11月30日 20時) (
レス) id: 93e7b62bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - 檸檬さん» ありがとうございます(；；)本調子とはいきませんが回復しました！ (2019年11月27日 16時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 複雑な気持ちの中、わざわざお返事ありがとうございます。私は、いつまでも待ち続けていますので、気持ちが落ち着くまで、ゆっくり休んでくださいね。 こちらこそ、これからも仲良くしてくださいね。 お気持ちの回復、願っております…。 (2019年11月17日 19時) (レス) id: 93e7b62bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - sakuninoさん» ありがとうございます。なるべく早く戻ってきますね。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - のりこさん» ありがとうございます。のりこさんのお言葉、とても嬉しいです。前向きに書けるようになったときはまたよろしくお願い致します。 (2019年11月17日 10時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayane
| 作成日時：2019年10月19日 9時
