備忘録 Ⅳ (ページ43)

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＃171．とある日の嵐 II ページ43

※人によっては閲覧注意かもです。Nさんの結婚に触れます。

「今からまたVS嵐の撮影ですね」

『そうなんです。今日はみんな揃って忙しい日ですね』

　基本撮り溜めをするバラエティだが、どれほど疲れていても誰もマイナスな言葉を言わない。そりゃぁ疲れたとか眠いとかは言ってしまうけど、それ程度のこと。

　再びVSの撮影に戻って2本撮りすると、今度は翌日の20周年ツアーのリハーサルが待ち構えていた。時刻は24時を回っている。

　隣で翔くんが密着のカメラに向かって「たまにある、いつまでが今日でいつからが明日なのかが分からない日」と言っているのを聞くと、普段から翔くん忙しいのに……なんて思ってしまうのは、ここだけの秘密。

　アイドルたるもの、なかなか素顔は見せられない。

『柚ちゃん、直近2週間のスケジュールざっくり確認して良い？』

「明日……いや、今日か。今日明日と嵐ツアー。11月3日が会見。6日がエイトの47都道府県ツアー初日で大阪。9日が国民祭典で、そのままジャカルタに行って、11日までにシンガポール、バンコク、台北をまわって帰京。14日からは、嵐のツアーで札幌。翌日からはエイトで九州だね」

『了解』

　頭の中でカレンダーを思い出しながらスケジュールを整理する。しかしこの短期間で何カ国訪れることになるのだろう。

　日本国内でもあちこちを訪れるため、ほとんどを移動時間に費やしてしまうなぁなんて、そんなことを考える。

『あ、そうだ。昨日貰ってたジェットストームの英語版台本なんやけどさ…、ここ、この方が伝わると思うんよね』

「………A、通訳になれば…？？」

『………返す言葉もない』

　リハ終わり。車で移動する最中に柚ちゃんにごもっともな事を言われ、この英語力をもっといろんなところで活かせたら仕事の幅も広がるだろうなぁと、ぼんやり考えたりもする。

「あ。ニノについてのコメントも考えておいてね」

『……はーい』

　物心がついていないときから、距離は離れていたとしてもずっと隣にいてくれた和が結婚することとなった。

　嵐で第一号。幼馴染としては嬉しいの一言。

　あの和が結婚か…と思わないこともないけれど、和が和の幸せを選んで掴み取った事実が素直に嬉しい。

　だけど、ファンの方々への発表となれば、嬉しい、という言葉だけでは済まされないものがあるだろう。それは十分にわかっている。

　それを踏まえた上で発言しなければならない。

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