備忘録 Ⅳ (ページ13)

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＃143．目まぐるしい日々ページ13

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　各グループや個人活動についての決定事項、並びに機密情報が増えていく中でも、私のスケジュールは相変わらずだった。

　映画キングダムの宣伝
　今クールのドラマ撮影
　レギュラー番組
　ラジオ収録
　アフレコ
　CM撮影
　雑誌取材
　音楽番組への出演
　嵐の20周年ライブ追加公演
　ワクワク学校
　アニメ関連のイベント
　エイトの十五祭前祭
　それに伴う北から南までの移動
　練習、リハーサル等

　幅広く活動させてもらっている。

　それに加え、今年の24時間テレビは嵐がメインパーソナリティとなることが発表されたため、その撮影や練習も地方で行っている。

　年が明けてから3月上旬までは、比較的個人の活動も少なくゆっくりできる時も多かったが、今はそうも言っていられない。まぁ、そのために仕事をセーブしていたのだが……

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『週の真ん中、水曜日に癒しをお届けします。瀬那AのまったりRADIO！本日は私一人でお送りしますよ〜』

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『今回このお話を頂いたときには、まず演技自体が久しぶりで緊張も不安もあったんですけど、現場の雰囲気がとても良くて──』

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『はい。……もっと縋るような感じで、…はい。これは、彼女自身が無理やり強さを前面に出そうとしてるんですかね？──』

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『みんなーッ！久しぶりーッ！──』

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『そうですね、やっぱり声だけの演技と役者としての演技はまた全然違ったものになりますね。もちろん、それぞれを経験値として活かすことは心掛けていますが──』

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『うん、大丈夫。じゃあちょっとここの尺伸ばしてみる。……あと、えーっと、これはこっちでいいってこと？──』

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『………あ〜ごめんなさい、もう一回いいですか？──』

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　全て紛れもなく私。どの場所にいる私も私。だけど、それぞれカメラには違ったように写るのだろうなと思う。

　だって、全て職業という仮面が貼り付いているから。

　いや、異なる写り方をするのが役者というもので、芸能人というもので、アイドルであって……それが正解で。

　誰かが言った。生き方に正解などないと。

　そうなのかもしれない。いや実際そうなのだと思う。選択肢という岐路には何回も遭遇してきたけれど、あのとき他の選択していたら…なんて考えてもその先にあるのが何なのか皆目見当もつかないわけで。

　それでも今が正解だと信じたい。

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