私、先輩に振られましたよね？(五条悟) (ページ13)

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廊下を歩いていると前方にAを見つける

この間はどうしていいか分からず話せなかったが、良く考えると俺は振った側で別に態度を変える必要は無いと結論づける

だからいつもの様に後ろから抱きつき声をかけた

｢Aはよー｣

いつもなら驚きながらも可愛らしい顔を少し赤くし、体をこちらに預けて挨拶を返してくれた

でも返ってきた反応は俺が思っていたのと少し違っていた

『わ！先輩おはようございます！』

驚いてはいるものの、腕からスッと抜け出された

｢何で逃げんだよ｣

そう言いながら一歩近付くとAは一歩距離を置く

『やだな～先輩が近付いてくるからじゃないですか～』

｢あ？別に逃げる必要なくね？｣

『んー、私にはあるんですよ』

｢何だよ、言えよ｣

一歩、一歩近付く……するとAは壁と俺に挟まれる形になった

壁に手をつき、顔をAの耳元に近付ける

｢なぁ、何で逃げんだよ｣

『ｯｯ……五条先輩、離れてください！』

｢！……何で呼び方変えたわけ？｣

俺が怒っていると感じているのか、Aは涙目になる

『何でって……先輩への気持ちを忘れる為ですよ！！！』

堪えていた涙が流れ落ちる

｢はぁー、何勝手に忘れようとしてんだよ｣

『……何言ってるんですか、先輩が私を振ったんですよね？』

｢そうだけど？でも俺を諦めるとか許さねぇから｣

『めちゃくちゃですよ、五条先輩を諦めようが私の勝手です』

｢何口答えしてんの？いい加減イラつくんだけど｣

そう言って首元に噛みつく

『い゛ｯｯ、、、何するんですか！』

その瞬間ガクッと体の力が抜け膝をついた

｢ｯｯ……お前、呪力吸収しやがったな｣

俺の呪力を吸収し真っ赤になる瞳と目が合う

『五条先輩が悪いんですよ！』

そして何処かに走って行ってしまった

その場に座り込み項垂れる

怒らせたいわけじゃない

泣かせたくもない

ただいつもみたいに笑って欲しかっただけなのに

アイツは可愛い後輩だ

それ以上でもそれ以外でも無い

無い、はずなんだ

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