【d!】Lemon Cake【短編集】

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言葉に詰まりそうになった。


来ると困ることでもあったのか、例えば、用事とか、仕事が忙しいんか、とか。
それくらいで聞きたかったのに、俺の口は上手く回らない。



「ダメなん。」

「ダメな理由なんなん、」




最後には責めるような口調になってしまった。
Aは困った顔をしている。




ああ、ごめん、違う違う、ちゃうねんて、




「...あ、いたかった、だけやん。」




吃った挙句、俺は禁句を言ったのかもしれない。
そのあとは止まれなかった。
一度話を、はぶらかされようとして、それが、余計にムカついて、焦って。

気づいたら、Aの柔らかい唇に触れていて。




「なんで、」




なんで、俺は、キスしてしまった？
なんで、Aは、拒まなかった？




『なんでって、何、』




いやそうだよな、お前のセリフだよな、それは。
そう思って、いつの間にか自分の呼吸が乱れていることに気付く。手も震える。情けない。




「、」




この後、俺は、もし。
好きだって、言って、どうしようか、そのあと。
A、A。俺、




『...何泣きそうな顔してるの、大丈夫だから』




気の迷いでしょ、ゲームしよ。と笑う彼女。





ああ、タイミングを逃した、と。
心の中で、俺は頭を抱えた。







________…



とろとろと歩いたつもりの廊下でもzさんには早く歩いてることが分かってる、とか。
そういう微妙な気付きを楽しんでいただけたら。

多分くっ付くのはもう少し先になる二人です。

言葉にするのは難しい【tn】→←at down【zm】

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