【d!】Lemon Cake【短編集】

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他愛もない話をしながら校門前に来ると、教育指導の先生が立っていた。先生は私が男物の制服を着ていたために少し怪訝な顔をしながらこちらへ歩み寄ってくる。





「お前何やそのジャケットは、」




寒いから借りただけ、とか適当に返すつもりだった。それを遮ったのは横から出てきたいつもよりも大きくハッキリした声だった。



「ちゃうんすよ、先生！俺今日誕生日なんで今日だけこいつに俺の苗字つけてもらお、思って！今日一日Aはオレの嫁！」





小っ恥ずかしいことをはにかんで私と肩を組みながら先生に言い放った。先生はというと目を真ん丸にして珍しく大きな声で笑う。




「...ははは！そうかそうか、そりゃおめでとう。お幸せにな！」




「どうも〜！」




私の手を引いて周りの目など気にもしない風に昇降口へと向かう彼。



「あの先生があんなに笑ってんの初めて見たわぁ」



『私も、初めて見たかもしらん』





そう、初めて見たよ、あなたがそんなに耳まで顔赤くしてるの。


くく、と思わず笑ってしまった。



「...なんや、そんな笑って。」




『いや、嬉しかったなあって、』





あと、今日だけだなんて勿体ないな、なんて。
そう思った私もちょっと恥ずかしい、って思っただけだよ。






____________…



(未来は二人でその苗字を名乗れていたらいいね。)





しゃおちゃ、お誕生日おめでとうございます〜！！
ついったで見かけたネタをすこし弄らせて使わせて頂きました！

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