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『...もう少し、度の強いお酒に挑戦したい。』
「...大丈夫ですか?」
『うん。』
まあ、今日は背伸びしたいのだろう。その為に彼女も日々頑張ってくれているのだ。今日くらい応えてやらねば。
「すみません、彼女にブルーラグーンをお願いできますか。」
注文を受けた彼は少しだけ口元を緩め、クスリと微笑んだ後、丁寧に畏まりましたと告げた。
『...どんなお酒?』
「それは来てからのお楽しみがいいんじゃないですか?」
ニコニコと笑っていえば彼女は今日は食い下がらず、そうする、と笑った。
不覚にも少しだけ色気を見出して誤魔化すようにからりとグラスを回す。
不思議そうに覗き込もうとした彼女に合わせるように、彼女の目の前には青いグラスが置かれた。
『...わあ、綺麗...ラグーンて、そういうことね。』
「多分、Aさんこんなの好きじゃないのかなと思って。」
『うん。流石エミさん。』
クスクスと笑う彼女。どうぞと勧めると彼女はそろりそろりと口をつけた。
『...ぅ、キッツ...!何これ、何のお酒が入ってるの...』
「ふふふ、ウォッカ。その他もろもろ。」
『え...一体何度なのこのお酒!』
「さあ?どれくらいです?」
マスターはクスクスと笑いながら軽快に24度くらいですかね、と答えた。
流石にキツすぎたかとこちらも笑いを零してしまう。
彼女はというとげんなりとした顔をしてしまっていた。
「すみません、これじゃ溺れちゃいますね。」
『あ!今!』
また子供扱いしたと怒る彼女だか、こちらからしたらそこが一番可愛くて仕方ないのである。
本当に溺れてしまっているのはどっちなんだか。
___________…
cocktail:ブルーラグーン
(誠実な愛)
タイトルの青い砂嘴(さし)はブルーラグーンのことです。
誠実な愛はエミさんが一番似合うのではないですかね。多少キザすぎた気もしますが。
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ちぃ汰。(プロフ) - 了解しました。続きで書くのでしたら是非拝見させて頂きます。宜しければ続きである事を表記していただけたら幸いです。楽しみにしています。 (2019年10月5日 14時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名03(プロフ) - ちぃ汰。さん» ひたすら毒素の詰め合わせ、と言う短編集にて毒素の話として書こうと思っています。よろしければ閲覧していただけると幸いです。 (2019年10月5日 13時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 絶対匿名03さん» コメントありがとうございます。続きを書いていただけるのでしたら是非拝見したいです。もしよろしければどちらの作品で書かれるのか教えていただけないでしょうか。ありがたいお話ありがとうございます。 (2019年10月5日 12時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名03(プロフ) - リクエストではないのですが、シリーズ最初のApple Tarteの49話(キュラソーを濁らせて)の話の個人的な続きを書きたいのですが、よろしいでしょうか?なるべく作風や元の口調等が崩れないように注意するつもりです。ご返答よろしくお願いいたします。 (2019年10月5日 8時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 暁さん» こんなに長く読んでいただけてるのを知れて嬉しかったですよ、本当に! こちらとしては皆様のコメントはとても励みになるのでありがたいです...! 是非またリクエストでもなんでもコメントして下さると嬉しいです。 (2019年9月5日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ汰。 | 作成日時:2019年6月22日 0時