【d!】Lemon Cake【短編集】

▽ ページ35

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そして、私は丁度今、例の小包を受け取ったのである。

しかし、受け取ってから矢継ぎ早に包みを開こうとした私の手は、開封前にぴたと止まった。


急な嘔吐感に襲われ、私はトイレに駆け込む。


苦しさに息を切らし、閉じていた視界に飛び込んできたのは。
汚い吐瀉物とは程遠い、真っ白な細かい白い花たち。


『...？ユキ、ヤナギが、何で私から。』


思わず呟いた振動でハラハラとまた幾つか口許を滑り落ちる。


...苦しさと驚きに惑う私は気づかない。


誰だろう、優しい言葉を綴ったのは。
誰だろう、愛らしい花を送ってきたのは。



...そう、彼は嗤う。








「...愛しいA。」



俺の心、届いてますか。
さあ、どうか俺の苦しみを知ってよ。
きっと花を吐く君も、それは美しいんだろうなぁ。








''来週、そちらへ参ります。Aの花はどんな花なのだろうか、楽しみです。''








そんな言葉が綴られた手紙は、未だ未開封で机に置かれているまま。






__________…



(天使と悪魔は紙一重、なのかもしれない。)






花吐き病にかかったosさんが自分が吐いた花を相手に送り付ける話。





黄色い水仙...愛に応えて

雪柳...静かな思い


様々な意味はありますがこちらの2つを採用。

雪柳の方の真意は、作者は「実は好きなんだけど気づいてない」というつもりで書いてますが、読者様個人で解釈して頂いて結構です。

ぜひこんな解釈は？とかいう意見がありましたらご教授下さいませ。

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