狷介デカダンス【sp】 ページ14
※かなり痛々しい表現。
人によってはかなり辛いかもしれません。
苦手な方はブラウザバックしてください。
ここで注意したので読了後の不満、指摘等は一切受け付けませんのでご了承ください。
______…
暑い。ベタベタした湿気た夜はYシャツがぺたりと肌にくっついて気分が悪い。
早くあの空調の効いている部屋で、彼女独特の甘い香りを感じながら36度5分の体温を堪能したかった。
「ただいま、」
『おかえり、遅かったねえ、』
ほんわり笑う笑顔と気を利かせて沸かしてくれた風呂の湧く音。そして涼しい風。しかしそこに交じる香りに少しいつもとは違う香り。
「花?」
『そう!駅前に新しい花屋ができてたでしょう、気になったから覗いてきたの。そしたら我慢できなくて』
「随分買ったね」
『どれも可愛くて。5000円ぐらいしたかな』
キラキラと彼女の瞳が受け皿の水のように光った。
どう考えても花のために用意されたに違いない真白な大判の皿とそれに乗る剣山に少し興味が出て質問してしまった。
「これ買ったからちゃうん?」
いかにも高そうなそれを指摘すれば彼女は多少困り顔で告げる。
『いやあ、それね、私がだいぶ買っちゃったからお店の人がおまけで付けてくれたの』
「は?」
『悪い気もしたんだけど...まあ、ご好意だから受け取るべきかな、って』
駅前の新しい花屋。記憶を探る。あそこの花出しをしていた店員は男だった。
『気前のいいお兄さんだった』
「...何やそれ」
嘘つき、Aの嘘つき。
ちゃっかりしてる奴だと思った。
平気で他の男との話をする女だと思わなかった。
俺だけのAだと、そういったのに。
君は、君は。俺を、裏切った。
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ちぃ汰。(プロフ) - 了解しました。続きで書くのでしたら是非拝見させて頂きます。宜しければ続きである事を表記していただけたら幸いです。楽しみにしています。 (2019年10月5日 14時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名03(プロフ) - ちぃ汰。さん» ひたすら毒素の詰め合わせ、と言う短編集にて毒素の話として書こうと思っています。よろしければ閲覧していただけると幸いです。 (2019年10月5日 13時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 絶対匿名03さん» コメントありがとうございます。続きを書いていただけるのでしたら是非拝見したいです。もしよろしければどちらの作品で書かれるのか教えていただけないでしょうか。ありがたいお話ありがとうございます。 (2019年10月5日 12時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名03(プロフ) - リクエストではないのですが、シリーズ最初のApple Tarteの49話(キュラソーを濁らせて)の話の個人的な続きを書きたいのですが、よろしいでしょうか?なるべく作風や元の口調等が崩れないように注意するつもりです。ご返答よろしくお願いいたします。 (2019年10月5日 8時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 暁さん» こんなに長く読んでいただけてるのを知れて嬉しかったですよ、本当に! こちらとしては皆様のコメントはとても励みになるのでありがたいです...! 是非またリクエストでもなんでもコメントして下さると嬉しいです。 (2019年9月5日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃ汰。 | 作成日時:2019年6月22日 0時