君色【cn】 ページ15
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絶望が単純な色だと表現したのは誰だったか。
それを聞いた俺の頭の中は、確かに白一色だった。
『...そう、じゃあもう、勝手にすれば。』
ごめんなさい、とは素直に出なかった。
嫌いと言ってしまった手前、罪悪感と今更感に胸が押し潰されそうで。
なのに、自分の口は硬く結ばれたままだった。
違う、違うのに。嫌いになるはずないのに。
一言も、否定の言葉は出なかった。
どちらの口からも。
耐えられなくなった俺は自室に戻って、Aさんはソファに蹲った。
今、背中を包み込んで、ごめんなさい、と言えたら、俺は良い男になれるんだろうか。
自分の間違いを認めて、相手の気持ちを受け止めてあげれたら。俺は良い彼氏になれるのかもしれない。Aさんにも飽きられることない完璧な男でいられるのかもしれない。
でもそれが出来ないから。勝手にすればなんて言われてしまうんだ。
情けない男だな。こんなことでめそめそして、部屋に閉じこもって、ごめんのひとつも言わないでベッドに膝抱えて。下手すれば女子より女々しいかもしれない。
「…やから、飽きられてまうんやなあ、」
グズグズ鼻を鳴らすだけ、伝わらないから無駄なのに。止めどなく流れるものを止めれなくて。
入ってきたその影に気づかなかったのも、きっとそのせい。
『...ごめんね。言いすぎた。』
背中を包んでくれたのは彼女の方だった。
ダボダボの俺のパーカーを着てるせいで少し抱きづらそうだったけど。
「...俺も、ごめんなさい、嫌いなわけないです。｣
『知ってる。こんなに泣いちゃうくらいには私の事大好きだもんね。』
後ろでくふくふと笑う声が背中のつかえを取り除くのがわかる。
俺を苦しめるのも、俺を癒すのも君なのかもしれない。
ふと外を見る。カーテンも閉めてなかった窓はもう随分と闇が近かった。
「...今日は、もう食べに行きましょうか。」
『そんな顔で行けないでしょ。』
「うるさ、じゃあ出前取ろーや。」
『さんせーい。』
窓の外は何色もの色が喧嘩しているような空で。
不思議と、君が横にいる世界はこんなにも色づいている。
_________…
(真っ白をもう一度、君色に戻して。)
青い鳥より、雨々様リクエスト。
リクエスト内容・cnで喧嘩ネタ。
ゆんちゃんリクエストありがとう！
書き終わった後で気づいたのですが君の色テーマにするならsmの方が良かったかもしれませんね(某罰ゲームより)。
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ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» 毎度のコメントありがとうございます。お待たせ致しましたことお詫び申し上げます。感想もありがとうございます。期待以上の感想を頂けて言葉もありません。続編前向きに検討しておりますのでどうかその時はよしなに。私もあなたのファンでございます。ありがとちゅき() (2020年5月12日 10時) (
レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 夜分遅くに失礼致します。更新の方心待ちにしておりました、そして相も変わらず、否それ以上に素晴らしいお話に胸が苦しく、また切なさが込み上げました。良ければ続編をと思いますが作者様の手が動く限りで構いません。私は何時までも貴方様のファンです。とりますき() (2020年5月12日 0時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色 逆音さん» とんでもございません、しっかりと寝てましたすいません...。ありがとうございます...。勿体ない言葉...。 (2020年1月28日 8時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
つらら@ちゃげっ娘。鬱紺色 逆音(プロフ) - 夜分遅くに大変失礼でしょうが...これだけ...好きです。 (2020年1月28日 3時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 夢川さん» いえいえ、全く気にしておりませんのでそんなにお気を使われないでください！感想頂けてとても嬉しいです。星の子一家に一人要りますよね笑 こちらこそリクエストありがとうございました。よろしければまたリクエストしてくださいね。(お仲間でしたか笑) (2019年11月5日 20時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃ汰。 | 作成日時：2019年10月6日 18時
