訪問!ψ木夫妻4 ページ8
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結局、お母様に「はーちゃんがお食事食べられないから、離してあげて〜」と言われるまで、斉木さんは手を離さなかった。
正直めちゃくちゃ嬉しかったが、めちゃくちゃ恥ずかしかったので、少しホッとした。
皆で三ツ星レストランの食事を堪能しながら談笑していると、あ、とお母様が思い出したかのように呟いた。
「はーちゃんのご両親にもご挨拶したいんだけど、いつがいいかしら?」
「私の両親なんですが、最近多忙でして……二人揃って休めるのが、半年先くらいと言っていて」
「す、すごいな半年先!?まぁ了承してくれてるんなら急ぎじゃないからいいけど、どんな仕事してるんだい?」
「お父さんが資産家の弁護士で、お母さんがイギリス人モデルで経営者なんだよね?君は超能力者で研究者だし、漫画みたいな家族だよね〜」
「斉木さんには言われたくないんですけど……。あ、それで日程についてなんですが……あれ?お二人ともどうしましたか?」
先程までの賑わいとは打って変わって、ポカンと口を開けて呆然としている。
何故だろう?
私の両親の職業にビックリしたのか?
確かに目立つ職業だが、そんな驚く程では、……あ、違うわ。
「あの……私の超能力の事、事前に伝えましたか?」
「え?あー、忘れてたアハハ」
絶対ワザとじゃないか!!
ご両親はまだフリーズしている。お父様に至っては、食後のコーヒーをダバダバと零していた。
思考回路がショートしたらしいご両親の様子を暫く見ていると、フッと我に返ったようだ。
「えっ!?えっ!?ち、超能力者!?ってかコーヒーあっつ!!」
「は、はーちゃんも、くーちゃんと同じ超能力を持ってるの!?」
二人は酷く驚いた様子で、前のめりで私に詰め寄ってきた。
頷いて、大丈夫だろうか。
今日のご両親の様子や、息子に楠雄くんという弩級の超能力者がいるから、きっと拒絶はされないだろうが、打ち明ける瞬間は中々に緊張する。
握りしめて少し汗ばんだ手を、そっと斉木さんの手が触れた。
……うん、大丈夫だ。
「はい。楠雄くんと同じく……というのは烏滸(おこ)がましいんですが、私も超能力を持っています」
「彼女が扱えるのは、空中浮遊だよ。ホラ、首の所のやつ、あれは空中浮遊がコントロール出来なかったみたいだから僕が制御装置を作ったんだ」
「空中浮遊……ああ!楠雄がやってたやつか!ていうかまた制御装置作ったのかお前!すごいな!」
「すごいわ〜!はーちゃん飛べるのね〜!ここでも飛べるのかしら?」
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あああ - 30ページ、アルカイックスマイルじゃないですかね、、、? (2020年4月3日 18時) (レス) id: 400d3f0549 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - いふれんさん» 改造人サイダーマン2号は、まさかのあの方です笑 (2018年8月27日 23時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
いふれん - 遊太君が言う、改造人間サイダーマン二号ってま、まさか……あの人か (2018年8月27日 16時) (レス) id: 083c75066f (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - ポエムさん» なんと…!嬉しくてつけ上がりそうです(笑)空助さんらしいとかホント嬉しいです!羽純まで可愛らしいなんて言って下さってニヤニヤします…!応援ありがとうございます! (2018年8月17日 17時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - やばい…めちゃくちゃ面白いです…!!空助がまさに空助らしい口調で最っ高…羽純さんもとても可愛らしいです…!陰ながら応援しております…!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさぎ | 作成日時:2018年7月15日 17時