斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

ψ高の遊園地デートを目指せ ページ44

.


ーー翌朝



「うわぁ〜遊園地なんて１３年と８２日ぶりです」

「僕も久々だよ。７年と５１日ぶりくらいかな」


今日は日本の夏休み最終日らしく、遊園地は親子連れや学生、カップルで賑わっている。

昨日は結局シャワーを浴びた後、疲れて眠ってしまった為、グッスリと眠って目覚めバッチリだ。

そう、バッチリだ。

今日は！今日こそはドジを踏まないで作戦通りに斉木さんの好感度を最大値まで上げる！！


「そうそう、今日は効率良く遊園地を回れるようにスケジュールを作ってきました」

「え？全制覇する感じなの？」

「折角来たんですから、乗りたくありません？」

「なんか色気ないね〜」


ガーン……！

斉木さんの『色気ないね〜』という言葉が、頭の上に岩のようにのし掛かってくる。
恋愛雑誌には『計画性のないデートは喧嘩の元！大まかな流れを考えよう』と書いてあったのに……。
「なんて計画性があるんだ！まさに良妻賢母だ、結婚しよう」と言われる流れの予定だったのに！

いや、綿密に計画を立てすぎたのかも知れない。
実験などでは正確な数字が求められるので、癖で分単位でスケジュールを決めてしまっていた。


「い、いやですね斉木さん冗談ですよ〜！」

ビリビリッ

「え？破るの？」

「分単位なんて冗談ですよ〜！大まかに、大まかに行きましょう！」


大体のアトラクションの位置は把握済みだ。
真っ二つに破ったスケジュールをカバンに入れ込み、目的のアトラクションを目指して歩みを進める。

すると、動かそうとした右手が動かない。
包まれるような温もりを感じた。

手、手を繋いでいる！！
すごい……デートっぽい！ううう、た、楽しい……って、私が喜んでどうするんだ！斉木さんに喜んでもらって好感度を上げる計画なのに！


「ええと、まずはあのジェットコースターなんてどうですか？関東一怖いと評判なようです」

「随分と急勾配だね。乗れるの？」

「怖くて叫んじゃうかも知れませんね〜」


むしろ叫ぶのが狙いだ。
私は心の中でほくそ笑む。

迫力のある乗り物に乗って、叫んだり怖がったりする姿を見せ、僕が守らなければ！と庇護欲を抱いてもらうのだ。

ジェットコースターはあまり乗った事は無いが、恐らく自然と恐怖で叫び声は出るだろう。


「多分さ、あんまり面白くないと思うよ」

「え？」

「だって君、自分の円盤型飛行機とかヘリでよく飛んでるじゃん。それで慣れちゃってるんじゃない？」

「まぁそうですが……でもジェットコースターはまた違うんでは？」

「ふーん」


会話をしながら暫く待っていると、順番が来たようだ。

ψ高の遊園地デートを目指せ２→←狙え！好感度ψ大値アップ４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す