狙え!好感度ψ大値アップ4 ページ43
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私は今、布団に寝かされている。
「いや、ほんと何してんの」
「……浅慮で愚かしい事をしたと、反省してます」
「ハハッ、そうとしか言えないね。IQの高さと危機管理能力は比例しない事が証明されたよ」
「……、」
私は返事をせずに、黙って反対方向に寝返りをうった。
チクチク刺してくる嫌味から逃れる為だ。
そう、私はやらかしたのだ。
温泉に浸かりながら色々と作戦を練っていたら、私はいつの間にかのぼせてしまったようなのだ。
後から入ってきたお客さんに心配されながらも、なんとか気合いで一人で部屋まで戻ってきた。
そして今に至る。
「温泉あんまり入った事ないんでしょ?外気もまだ暑いのに15分間ずっと入ってたら、湯あたりも起こすよ」
「はい……、今めちゃくちゃ暑いです」
「だろうね」
斉木さんは随分前に温泉から上がったようで、明後日の講演会の準備をしていた。
今から準備するのか?と驚愕したが、まぁ彼は人間の域を超えそうな天才なので大丈夫なのだろう。
しかし暑い。
温泉の効能効きすぎて、すごく暑い。
斉木さんが手を止めて、団扇で扇いでくれているが、それでも暑い。
「……お見苦しいんですが、ちょっと浴衣脱いでもいいで」
「……いや、ダメに決まってるじゃん」
「下にキャミソール着てるので、」
「ダメ」
「じゃ、じゃあキャミソールだけ脱いできます。もうほんと暑くて」
ついでに軽くシャワーでも浴びよう、若干クラクラする身体をゆっくりと起こした。
温泉から出た直後よりかは目眩が治まってきたようだ。
ホッとしながら立ち上がろうとすると、予想以上に目眩が酷くなりバランスが保てない。
あ、まずい。倒れる。
と思った直後、ポスンと私の身体は受け止められ、畳に激突は免れた。
「いやー、本当に能力値を頭脳に全振りしたとしか思えないね」
「……す、すみません」
「こんなドジでよく今まで生きてこれたね、君に拍手を送りたいよ。ハハッ」
「…………、」
身体は受け止めてくれたのに、心の方は未だチクチクと攻撃してくる。
何も言い返せない。ごもっともです。
……ぐうう、湯あたりさえしていなかったら!きっと今は『ハロー効果』の影響で、キスの一つや二つや三つや四つしていたのかも知れないのに。
最後にしてくれたのは、六神さんと喫茶店に居た時だ。
ああ……27日14時間54分ぶりのチャンスを逃してしまった……。
明日、明日こそ好感度を最大値まで上げて、斉木さんとキス出来るように持っていくんだ!
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あああ - 30ページ、アルカイックスマイルじゃないですかね、、、? (2020年4月3日 18時) (レス) id: 400d3f0549 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - いふれんさん» 改造人サイダーマン2号は、まさかのあの方です笑 (2018年8月27日 23時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
いふれん - 遊太君が言う、改造人間サイダーマン二号ってま、まさか……あの人か (2018年8月27日 16時) (レス) id: 083c75066f (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - ポエムさん» なんと…!嬉しくてつけ上がりそうです(笑)空助さんらしいとかホント嬉しいです!羽純まで可愛らしいなんて言って下さってニヤニヤします…!応援ありがとうございます! (2018年8月17日 17時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - やばい…めちゃくちゃ面白いです…!!空助がまさに空助らしい口調で最っ高…羽純さんもとても可愛らしいです…!陰ながら応援しております…!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさぎ | 作成日時:2018年7月15日 17時