狙え!好感度ψ大値アップ2 ページ41
.
斉木さんが予約していた宿に到着し、ハイヤーから降りた私は絶句した。
「……え?何ですか、この老舗感凄い旅館は……」
「今日から泊まる宿だけど?」
「そ、それは知ってますが、ここまでグレードが高い所を予約したとは思いませんでした……」
築年数は経っていそうだが、そこがまた荘厳な雰囲気を放つ、立派な木造の建物がそびえ立つ。
行き届いた日本庭園、整然と並び出迎える従業員達、旅館へと入って行く客は見るからに富裕層の人間だ。
……高校生と大学生の旅行で泊まる宿というには、中々に仰々しい。
たかが近くの遊園地に遊びに行って、仕事を済ますだけの旅には勿体なさすぎるような気がする。
両親と行っていた観光でも、仕事ついでに連れて行って貰っていただけなので、実際ここまでハイグレードな宿泊施設にはあまり泊まった事はない。
「初めての旅行なんだから、いいんじゃない?」
「……うーん、そんなものですかね?この雑誌で見た宿泊費より何倍も掛かりそうですが……」
「それはあくまで一般論だろう?その雑誌の読者は10代後半から20代前半までの女性層がターゲットで、まだ親に扶養されている身だったり、働き始めたばかりの人が多い。それに合わせて宿泊費は安価で気軽に行けるような値段設定になってるだけだよ」
「ふむ……確かに、私達の状況にはあまり当て嵌まらないかも知れません」
「でしょ?納得したなら早く入ろーよ」
「あ、はい」
斉木さんに急かされ、慌てて歩みを進める。
……なんだか言い包められた感が否めない。
少しモヤモヤしていたが、旅館の中に入ると、それは直ぐに消えた。
控えめながらも品のある日本ならではの内装、美しい調度品、先に見える日本庭園とマッチしていて、日本の『ワビサビ』を感じる。
うん、正直言ってめちゃくちゃテンション上がりますコレ。
「す、すごいいい……!!後で絶対日本庭園見に行きましょうね……!」
「なんやかんや言ってたけど、凄いテンション上がってるね〜」
「ふふ、後ほどまたご案内しますね」
「宜しくお願いします……!」
部屋へ案内してくれている従業員の方に優しく微笑まれ、少し恥ずかしくなったが、ちゃっかりお願いする事にしよう。
わくわくと心躍らせながら歩いて行くと、スッと扉が開かれた。
「こちらが、ご宿泊頂く部屋でございます」
「わー広いね」
「部屋も素敵ですね〜!日本の『ワビサビ』は、なんて奥深い」
「うふふ、喜んで頂けて何よりです。ご入浴されている間に、お布団を敷きに行きますので」
197人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あああ - 30ページ、アルカイックスマイルじゃないですかね、、、? (2020年4月3日 18時) (レス) id: 400d3f0549 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - いふれんさん» 改造人サイダーマン2号は、まさかのあの方です笑 (2018年8月27日 23時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
いふれん - 遊太君が言う、改造人間サイダーマン二号ってま、まさか……あの人か (2018年8月27日 16時) (レス) id: 083c75066f (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - ポエムさん» なんと…!嬉しくてつけ上がりそうです(笑)空助さんらしいとかホント嬉しいです!羽純まで可愛らしいなんて言って下さってニヤニヤします…!応援ありがとうございます! (2018年8月17日 17時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - やばい…めちゃくちゃ面白いです…!!空助がまさに空助らしい口調で最っ高…羽純さんもとても可愛らしいです…!陰ながら応援しております…!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あさぎ | 作成日時:2018年7月15日 17時