狙え！好感度ψ大値アップ ページ40
.
ーーキィイイン……
飛行機の加速音があちこちから聞こえる。
夏休みシーズンだからだろうか、ガヤガヤと賑わう観光客でごった返していた。
忙しなく闊歩するパイロットやCAが幾度となく通り過ぎていく。
「わー、日本に帰ってきたって感じ」
「本当、久々です」
飛び交う言葉は英語ではなく、日本語ばかりだ。
日本に帰ってきた、という実感が湧いてくる。
私達はわざわざ遊園地に行く為だけに日本に来た……のではなく、斉木さんが講演会に招かれている為来たのだ。
なぜ日本の遊園地？と疑問だったが、講演会を行う場所と近かったという理由を聞いて納得した。
「ご両親にはお会いにならなくていいんですか？」
「あー、僕はいいや。講演会の間、君だけ家行ってくれば？折角だし」
「え？私だけでいいんですか？斉木さんの大好きな生の楠雄くんが居るのに」
「誤解を招きそうな言い方やめてくれない」
「あ、すみません」
若干顔色が悪くなった斉木さんに平謝りをして、空港の出口へと向かう。
出口に近づくにつれて、外気の熱がじわじわ感じられるようになってきた。
「う……、」
「うわ、」
外へ出ると、イギリスの気候とは桁違いのムワ、とした熱波が身に纏わりつきてきた。
イギリスでゆるーく生活してきた私達にとっては、中々にクるものがあった。
「うう、身体が慣れるまでツライですね……」
「日本ってこんな暑かったっけ……」
日本の夏の強烈な出迎えに負けそうになりつつも、待たせているハイカーの元まで歩みを進めていく。
歩くだけで汗がジンワリと出てくる。
ハンカチで顔周りの汗を拭いていると、斉木さんがジッとこちらを見ていた。
「す、すみません。見苦しいですよね、私結構汗っかきで」
「いいと思うよ」
「代謝が良いのはいいんですけどねー」
「いや、汗で濡れてる姿って中々やらしくていいと思うよ」
「ん、な！言い方考えて下さい！」
また更に体温が上がってしまった気がする……。
パタパタと手で顔を仰ぎながら、少しでも冷まそうと試みる。
斉木さんをチラリと盗み見ると、汗一つかかずに涼しい顔をしていた。
なんなんだ、イケメンになると汗もかかなくなるのか？
いや、ただ新陳代謝が良くないだけか。
そうこうしている内に、ハイカーの前まで着いた。
荷物を運転手の方に入れてもらい、車内へと乗り込んだ。
「はー……涼しい、天国です」
「暫くしたら、カーディガン着ときなよ。体調管理下手なんだから」
「は、はい」
斉木さんが母親みたいな事言ってる……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 197人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あああ - 30ページ、アルカイックスマイルじゃないですかね、、、？ (2020年4月3日 18時) (
レス) id: 400d3f0549 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - いふれんさん» 改造人サイダーマン２号は、まさかのあの方です笑 (2018年8月27日 23時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
いふれん - 遊太君が言う、改造人間サイダーマン二号ってま、まさか……あの人か (2018年8月27日 16時) (レス) id: 083c75066f (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - ポエムさん» なんと…！嬉しくてつけ上がりそうです（笑）空助さんらしいとかホント嬉しいです！羽純まで可愛らしいなんて言って下さってニヤニヤします…！応援ありがとうございます！ (2018年8月17日 17時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - やばい…めちゃくちゃ面白いです…！！空助がまさに空助らしい口調で最っ高…羽純さんもとても可愛らしいです…！陰ながら応援しております…！！！ (2018年8月16日 21時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あさぎ | 作成日時：2018年7月15日 17時
