斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

探せ！ψ適な旅行先 ページ39

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ーー数日後



「ふむ、２人でアドベンチャーを楽しむ事によって、親密感が深まる……」


アドベンチャー……旅行に行ったり、何か新しい事をするって事か。
ペラ、と女性向け雑誌を捲りながら、顎に手を添えて考える。

恋愛について知識ゼロの私は、本屋で大量に買った恋愛に関する雑誌や書籍や、インターネットで学ぶ事にした。

本当は恋愛経験豊富な人に聞きたかったが、生憎そんな知り合いはいなかった。
両親……に聞くのはなんだか気が引けるし、知り合いは研究職に就く変わり者ばかりだ。

はぁ……こんな時に、ドラマのように同級生の親友に相談してみたい……。
こういうシーンでは、カフェやファーストフード店で相談するのが鉄板だった筈だ。
……いいなぁ、きっと楽しいだろうな……。

まぁ、超能力がどうのこうの以前に、多忙な研究職に就いている時点で、友達なんて夢のまた夢だ。
しかも今は学校すら通っていない。
来年にはケンブリッジ大学に受験するが、そこでもきっと課題の研究に明け暮れるのみだ。


「アドベンチャー、ねぇ……」

「っ！さ、斉木さんいつからそこに」

「２７秒前だよ。ホント隙だらけだよね〜、また妄想してたんでしょ」

「妄想って言い方やめて下さい！」


まずいまずい、また妄想……じゃなく、思考の波に飲まれてた。

今は友達の事ではなく、斉木さんの好感度アップの方法について考えるんだった。
付箋しておいた雑誌をバサバサと積み重ねていく。


「いくつかいいなと思った物を挙げておいたので、見て下さい」

「見せたら意味ないと思うけど」

「そ、そうでした。じゃあ見ないで下さい」

ペラ、

「コレなんていいんじゃないかい？君と旅行に行った事なかったし」

「バリバリ見てるじゃないですか……」


付箋をつけた雑誌を手に取り、ヒラヒラとこちらに見せてくる。

私が先程まで見ていた『彼との親密感アップ♡ドキドキテクニックを伝授！』というページだ。
斉木さんが言っているのは、その中の一つの『常に新しい刺激を！ドキドキアドベンチャー』についてだろう。


「どこか行ってみる？君、観光とかいうくだらな……メジャーなやつ好きでしょ？」

「本音が漏れてますよ。……確かに私は好きですが、世界の主要な観光地は用事で行くついでに大体見ましたし……」

「君ん家金持ちだもんね〜。じゃあさ、こういう庶民的なのはどう？」


斉木さんの持っているタブレットには、何やら楽しそうに遊具に乗っている人の写真が載っていた。これは、遊園地のHPか？


「日本にあるんだけどさ、行ってみる？」

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