斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

病み上がりのψ難 ページ32

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あれから一週間が経った。

発熱自体は二日程で治まったが、私の無茶し過ぎた前科の所為で、斉木さんとお手伝いさんの田中さんから安静にしているように言われてしまったのだ。

勿論、研究室は出禁だった。


「ついに、解禁です……！自由って素晴らしい！」


一週間後キッカリに、私は愛しの研究室に舞い戻って来た。

安静にしている間は、大人しく自分の発明品の案を考えたり、斉木さんの論文を読み返したりしていた。

なので、折角完成した私の発明品『円盤型飛行機』の最終調整が出来なかったのだ。


「……よし、これで完璧です」


電子回路を繋ぎ合わせて、最終調整は完成した。

まずは、無人の状態でコントローラーで操作し、作動するかチェックする。

無事動くか……とドキドキしながら見守る。
円盤型飛行機は音もなく浮き、コントローラーの指示通りに動いた。

パァアア……と世界がキラめいた気がした。


「すっごい……！すっごいですよ８号！貴方は天才！！流石、私が丹精込めて作っただけあります！あーよしよしイイ子イイ子〜」


空中に静止したまま浮かんでいる円盤型飛行機８号を、我が子のように可愛がる。

機械相手に何やってんだという感じだが、幼い頃から超能力を隠そうと他人と最低限の関わりしか持っていなかった私にとって、自分の作った発明品は友達のようなものだった。

ちなみに８号の命名は、円盤型飛行機の発明にチャレンジして、この子が８台目だったからという単純な理由だ。

小型だったり、人は乗れるが音がうるさかったりと、試行錯誤と改良を繰り返した結果が、この８号である。


「さぁ、８号降りて来て下さーい」


コントローラーを操作して、８号を着地させる。
うん、着地も完璧だ。

今度は私が乗ってみよう。
人体を乗せて浮遊出来るのが最終目標だ。

８号に乗り込み、浮き上がるよう操作する。

巨大な機体は、音もなくフワリと浮いた。


「！！う、浮いた！８号すごいです！！流石です！実用化も夢じゃありませんよ！」

ガチャ、

「朝からすごいテンションだね〜。その円盤型飛行機、完成したんだ？」

「え！？さ、さささ斉木さん、」
突然入ってきた斉木さんに驚き、肘がスイッチにぶつかってしまった。

カチッ

「っあ！に、逃げて下さい！！」

キュイイイン……

「……！？」

ズゴォオオオオオンッ！！！

「……や、やってしまいました、」


いや、殺ってしまったという方が正しいのか？

斉木さんを人を分子レベルで破壊出来る光線で攻撃してしまった……。


「……ゴホ、ホントに、やってくれるね」

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