斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

飛崎羽純のψ難３ ページ4

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その後、斉木さんはササッと身支度を済ませて、ご両親と楠雄くん達が居るホテルへと向かった。

楠雄くんとの『鬼ごっこ』に負けた斉木さんは、楠雄くんのお友達に腹いせをすると言っていた。

お友達さん、ご愁傷様です。
私は止められません。自分の身が第一です。

私は髪やら服やらメイクやら、色々しなければいけない事があるので留守番だ。
ササッと身支度が完了する男性が羨ましい。

しかし、だ。


「ふふ、このワンピース可愛いですね〜」


この身支度も中々楽しいのだ。

私は一人で、鏡の前でくるりと回った。

斉木さんから着るように言われたワンピースは、正に私の好みドンピシャであった。

淡いブルーのフレアワンピース。
シンプルながらもデザインが上品で洗練されている。我ながら中々に似合っている。
流石斉木さんはセンスがいい。


「髪型はどうしましょう……ん？なんか赤い……？」


両手で髪を持ち上げると、首筋や鎖骨の下が数箇所赤くなっていた。

虫刺されやアザではない。先程、斉木さんに仕返しされた箇所だ。

女性の肌に跡を残すとは……とムッとしたが、そこは仕返しなのだからしょうがないのだろう。


「うーん……結局いつものですかね」


編み込んでアップにしようとしたが、髪を上げるとこの跡が目立ってしまいそうだ。

いつもしているハーフアップだと髪に隠れて跡が見えないし、無難にそれでいこう。

……というかこの跡を消せばいいじゃないか？
斉木さんが用意してくれた化粧品の中から、跡を消せるコンシーラーを探す。

化粧品は有名ブランドのものばかりでちょっとテンションが上がりかけたが、今はそんな事をしてる場合ではない。


「あれ、ない……」


１つ１つ確認するが、何故かコンシーラーだけない。

ズラッと色々と種類があるのに、用意されていなかった。
少し疑問に思ったが、本来なら私は使わないので、まぁいいかと思い直した。

代わりにファンデーションで何とかしようと手に取ると、計ったように端末が振動した。
確認すると、斉木さんからメッセージが来ていた。

『それは仕返しだから、消そうなんて考えないでね。あと２０分で着く』

……何なんだこの人は……。

深い溜め息をつきそうになったが、あと２０分で着くという内容に目を奪われた。


「２０分か……化粧もしてないし、急がないと」


モタモタしてたら、意外と時間がかかってしまったようだ。

跡は……まぁハーフアップで隠せばいいか。

私はこの自分の行動に、後ほど非常に後悔する事になる。

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