斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

集中！ψ能を鍛え上げろ３ ページ25

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ーー二週間後



ゴォオオオ……


「……よし、これで溶接作業は終わりですね、」


持っていた溶接機の電源を落として、アルゴンガスの元栓を締めた。
溶接機は冷却の為に安全な場所に置く。

頭に被っていたフェイスシールドを外し、タオルで汗を拭った。

自宅にある研究室で溶接の作業を始めて早一週間。
寝る間も惜しんで作ってきた作品に、ようやく完成が見えてきた。


「はぁー、飛んでくれますかね〜。設計は完璧な筈ですが……」


ドキドキしながら、作品を見つめる。


「円盤型飛行機、完成したら斉木さんに見て頂きたいですね」


作品の見た目は、殆どUFOの形状に近い。

勿論、私の超能力『空中浮遊』を使って浮かせる訳ではなく、内部に組み込まれた数々の部品の力で浮かせるのだ。
そもそも私の超能力では、物を浮かす事は出来ない。


小さい頃から、研究のテーマは『自由に空を飛ぶ』というのが殆どであった。

大人たちは「鳥に憧れているのね」なんて好き勝手言っていたが、全く違う。

本当の目的は『空を飛ばないように制御する』ことだった。
『自由に空を飛ぶ』という建前さえあれば、いくら飛行関係の文献や論文を読み漁っても不審がられないからであった。

そのお陰でこの円盤型飛行機の設計を１１歳で思い付いた訳だから、まぁ結果オーライだ。


「構想から５年……ついに完成するんですね」


なんだか感慨深いものが込み上げてくる。
試行錯誤を繰り返した努力の結晶だ。

斉木さんには一週間自分の研究室に篭ると伝えたが、二週間篭る事になってしまった。

つまり、二週間録な睡眠を取っていなかった事になる。
やる気を出しすぎて、少し調子に乗り過ぎたかも知れない。

そういえば、お腹も空いた。

……ん？私、いつご飯食べた？


「あ、……やっばいヤツですねコレは……」


自覚すると同時に、グラッと視界が回り始めた。

頭を手で抑えるものの、全く効果はない。

身体は火照り、目が開けられなくなる。
これは、ただ寝てるだけじゃ治らないヤツだ……。

誰か呼ばないと、

お手伝いさん……は、今の時間は昼休憩の筈だ。
それに私の研究室は見られてはマズイものが結構あり、そもそも危険なので近付かないように言ってある。


「……さいき、さん……」


は、電話でも自分の研究の進みが良いと話していたから、きっと研究室に篭りぱっなしだろう。

……どうしよう、この状況。

脚が震えて立っていられなくなり、膝から崩れ落ちるように倒れた。

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