斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

天ψ科学者VSイケメン俳優 ページ16

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この六神という男とは全く合う気がしない。
今の所トラブルしか起こされていない。


「ああ、ここにいたんだ。逃避行は楽しかった？」

「……ッ！！」

「？え、誰？」


本当に、トラブルしか起こされてない。

肩に軽く乗せられた両手が、とんでもなく重く感じる。

六神通は私の態度が一変したのに驚き、私と後ろに立っている方の顔を交互に見ていた。

一瞬にしてツンと澄ましていた態度が、尻尾を丸めて怖がる猫のような弱々しいものに変わったら、誰だって驚くだろう。


「さ、さささ斉木さん……」

「８４回電話したのに出ないから心配したよ。まぁ君には発信機付けてるから、電話なんてされなくてもいいんだけどね」

「えっ……キモッ」

「ちょっと六神さんは黙ってて下さい！！あっ、あの斉木さん！本当にご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした……！先程電話でお伝えした通り、この六神さんという方が追われていて、」

「あー、そういう言い訳はもういいから。そこの六神くんとのデートは楽しかったかい？」

「違います！本当に違いますから！」


ニコニコと笑顔で「そうかなぁ？」と言いながら、空いていた席に座り、紅茶を頼む斉木さん。

あー……これは相当怒ってますね〜。

さぁ両親との顔合わせも終わったし、帰ろ〜と思ったら私が突然姿を消した。
かと思ったら、知らない男とお茶飲んでました〜だなんて、怒らない訳がない。

大変な迷惑を掛けてしまった。嫌味の一つや二つも言いたくなるだろう。

馬鹿な事をしてしまった……と後悔の波が押し寄せる。

ていうか私の制御装置にまで発信機付けてるのか……初耳なんですけど。


「あの、もしかして彼女の彼氏さんかな？僕のせいで付き合わせちゃって、本当に申し訳なかった。彼女は悪くないんだ」
六神さん、化けの皮被るの遅くないですか？貴方さっき『えっ……キモッ』まで言ってたでしょう。

「ふーん、ルックスは良いみたいだけど、まるで知性が感じられないね。どっちにしろ僕には猿にしか見えないけどね。ハハッ」

「は、はは……猿だなんて面白いね。まぁ怒るのも無理ないよ。彼女を連れ出してしまって本当に悪かったよ」

「もしかして、この子を急に連れ出して走らせたのも吊り橋効果を狙ってた？言っておくけど、吊り橋効果は男性にしか効かないからね。その後車でわざわざ素顔見せたのも、ゲインロス効果を狙ってたのかな」

「は？ゲインロス？」


知らない単語に、六神通は訝し気な表情を浮かべた。

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