page56 スタァ ページ8
コウジ「はいこれ。使うんだよね?」
夕飯の後、コウジから袋を渡された。中には
衣装が入っている。
A「あ、ありがとうございます…」
コウジ「頑張ってね。」
コウジは優しい笑顔でAを見送った。
衣装に着替え、ヒロの所に向かう。もちろん場所はレッスン室。中に入るとリンクにヒロを見つけた。速足で近づくと向こうもこちらに気がついた。
ヒロ「おっ。やっぱりその衣装似合ってるね。Aちゃんにピッタリだよ。さぁ、始めよう!」
ヒロはAの手を引き歩きだす。
この行為も最初は驚いていたが今ではもう慣れてしまった。
休憩時間になると、ヒロが話しかけてきた。
ヒロ「Aちゃんは、緊張とかあんまりしないの?もうすぐで発表の日だけど。」
A「緊張…?」
この間の発表では多少緊張したが、ショーを始めるとそんなものはすぐどこかへ消えてしまった。つまり…
A「そんなに…しないです。」
ヒロ「そっか。それはスタァには大事なことだよ。」
A「スタァ…?」
スタァ…とはプリズムスタァのこと。まさかプリズムスタァにならせようとしてるのかな…
無理だよ…
ヒロ「うん。君ならきっとすごいスタァになれるさ。さて、練習に戻ろう。あまり遅くなると寝不足になっちゃうからね。絶対アイドル、寝不足NG。ってね。」
絶対…アイドル………
さすがエリート。美意識も高いなぁ…
練習を再開し、ダンスの確認をしていると
ふと疑問に思った。
A「(あれ…プリズムライブってどうやるんだっけ…)」
突如出来るようになったプリズムライブは、練習では1回もやっていない。というか、ピアノすらも現れない。自分がどうやってそのピアノを出したかも分からなかった。
本番まで残りわずか。悩んでいる暇はなかった。
85人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時