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page96 新しいエーデルローズへ ページ48

ー聖sideー

プリズム スプリング カップ、か………
あの子は大会出場を重ねる度に成長するな………

寮の中を歩いていると、寮生の活気ある声がきこえてくる。

「あー!それ俺っちの肉!」

「あぁ?いーだろ別に。誰のもんでもねーよ。」

「まぁまぁ喧嘩しないで、まだあるから。」

「食事中は騒ぐでない。」

鷹梁ミナト。彼はいつも寮生の食事を作ってくれる。
十王院かず………カケル。本名を嫌っていて、真面目な部分も隠しているが、彼の明るさでいつもエーデルローズは賑わっている。
それに香賀美タイガ、太刀花ユキノジョウ。
みなそれぞれの良さを持っていて、プリズムショーにひたむきだ。

聖「もう進学か。早いものだな。」

進学…彼女は、Aちゃんは、学校には通っていたのだろうか。それとも本当にプリズムワールドの使者なのだろうか…
どちらにしろ、もうすぐ大会だ。成功と、新たな成長を願おう。

「聖さん。」

この声は…

聖「ヒロ?」

ヒロ「珍しいですね。寮にくるなんて。」

聖「ああ。少し様子を見ようとね。」

フッと微笑んだヒロは続ける。

ヒロ「そろそろ4月になりますね。新しい生徒も入るんじゃないですか?」

聖「そうだな。今から楽しみだ。……と、そういえばAちゃんはどうだい?うまくいってるか?」

ヒロ「あ、はい。とても頑張ってますし…ジャンプも安定してますよ。2連続は普通にとぶようになって。」

2連続………では次は3連続かな。期待が膨らんでしまう。

聖「さすがだな…。そろそろ寮生にも教えないといけないかもしれない…。」

Aちゃんの存在は、オバレの3人以外は知らない。隠しておくには限界も近いだろう…
でも、なんと言えば…?拾ってきました?いや、失礼だな…プリズムワールドの使…いやそうと決まったわけではないし…

ヒロ「ふふ、そうですね。それじゃ、俺仕事行ってきます!」

聖「ああ。頑張ってくるんだよ。」

寮の外に出ていくヒロの後ろ姿を見守りながら、ため息をつく。

あんなに小さかったヒロも、こんなに大きくなって………
4月、か。
どんな生徒が入ってくるか楽しみだな。

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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時

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