検索窓
今日:16 hit、昨日:5 hit、合計:93,219 hit

page95 動揺 驚き 謎の言葉? ページ47

ーコウジsideー

夕食の片付けをしながら、ふと時計を見た。
8時半…そろそろAちゃんは練習してるかな。そういえば、僕たちも高2になるのか…
あっという間だなぁ………

「コウジさん?」

穏やかな声でコウジの名を呼んだのは、鷹梁ミナト。同じく夕食の片付けに来たようだ。

コウジ「やぁ。お疲れ様。待ってね、そろそろ終わるから。」

ミナト「あの…コウジさん。どうして最近、食堂にいらっしゃらないんですか?」

コウジ「えっ。」

不満そう…というか悲しそうな顔をしてミナトは尋ねた。唐突な質問に動揺しながらもそれを態度に出すことはなく、いつもの口調で答える。

コウジ「いやぁ、最近オバレも仕事が増えてきてさ。ソロで出させてもらうこともあるから3人で会う機会が少なくなってきたんだよ。」

ミナト「仕事…」

コウジ「そう。だから話せる時に話しておかないとね。そろそろ食堂にも戻ろうかなとは考えてるんだ。後輩の顔を見れなくなるのも悲しいし。」

ミナト「そう、だったんですね。すみません…」

コウジ「いやいや大丈夫だよ。いきなり食堂に行かなくなったし、気になるのも仕方ないよね。」

いつも通りの笑顔を保ちながらも、コウジの気持ちは真反対。焦りしかなかった。

わぁぁぁミナトこれ以上は聞かないでえええ!
Aちゃんの事ばれちゃう!
早く、この場から離れようっ。

コウジ「じゃあ、またね。皿洗い頑張って。」

ミナト「あ、はい。ありがとうございます。」

はや歩きで台所から出る。自然と足は自分の部屋に向かっていた。

コウジ「はぁぁ…焦ったどう答えようかと思…」

角を曲がろうとすると、目の前にAが現れた。

「「わあっ!」」

2人で声をあげる。

コウジ「わ、びっくりした。ごめんね。これから練習?」

A「こちらこそごめんなさい…。あの、はい。今日は9時からで…。」

コウジ「そっか。ヒロもさっきまで仕事だっ…」

ピロンッという電子音がコウジの言葉をさえぎった。

コウジ「ん…?スマショ?」

A「あ……すみません…」

Aは荷物からスマショを取り出し画面を確認した。すると、少しだけ目を見開いた。

A「あん………」

コウジ「あん?」

今度は急に顔を上げた。

A「すみません、時間なので。また…」

コウジ「ああ、うん。頑張ってね。」

小走りで立ち去るAの後ろ姿を見ながら、コウジはさっきの言葉を思い返していた。

コウジ「あん…?」

page96 新しいエーデルローズへ→←page94 呼び捨て



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。