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あん「ねぇ、今食べてみて!感想聞きたいの。」

A「え?今?」

あん「うんっ。」

お礼を言われて、さらに嬉しくなったあんはクッキーを今食べるようお願いした。
Aも言われるままに包みを開け、クッキーを1つ口に運んだ。

A「………」

あん「ど、どう?」

無表情だった彼女の顔は、だんだんと笑顔に変わっていった。その表情はあんの予想通り、
りんねにそっくりだ。

A「美味しい。」

嬉しそうにクッキーを頬張るAを見てほっと息を吐く。

あん「良かったー!気に入ってもらえて。あ、そういえばAって、どこの中学校?そろそろ入学式もあるよね。」

A「入…学式…?」

あん「うん?春休みだって終わりに近いし。私達も中学3年生だよ〜。」

さっきまで話してくれていたのに、Aは急に黙りとしてしまった。

あん「………A?」

A「あ、えっと………そうだね。入学式…」

なにか、様子が変だ。

A「忙しくなる、かな。」

目もそらしてる。事情があるのかも…

あん「そうだね。忙しくなるかな〜。あ!あのね、近くにスイーツ食べ放題の所があるの。良かったら今度一緒に行かない?あ、嫌だったらいいよ!全然!」

全力で話題を切り替える。

A「スイーツ…。行く…」

そして案外ノリ気!?

Aの返答に驚きながらも、動揺を隠して話し続ける。

あん「ホントに〜?じゃあ、スマショ持ってる?連絡先交換しようよ!」

2人でスマショを出し、お互いに連絡先を交換しあう。画面にはAの電話番号とメールアドレスが表示されている。

あん「完ぺき!これで連絡できるね。予定合わせて食べに行こう!」

彼女は微笑みながらコクリとうなずいた。

あん「じゃ、そろそろ帰るね!あ、それと…」

A「………?」

あん「福原さん、じゃなくて あん でいいよ!」

言いながらあんは走り去って行った。
公園に1人取り残されたAは、自分にしか聞こえないくらいの声でつぶやいた。



A「…………あん…」

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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時

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