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page87 賭け ページ39

ーヒロsideー

Aの手を引きすばやくその場から退散する。食堂からかなり離れたところまで行きAと向き合った。

ヒロ「ちょ…なんでいたの!?」

A「え、あの…ご、ごめんなさい…」

あ、でもそういえば………

ヒロ「あー……でもごめん、話途中だったか…。」

カヅキが話そうとしたところで途切れちゃったからな。帰ったら失礼とか、思ったのかも……

A「いえその…ヒロさんが謝ることじゃない、です…」

なんだかまずい空気になってしまった気がする。まだカヅキは食堂で話してるだろうし…

ヒロ「………先ご飯、食べにいっちゃおうか!」

A「え、でもカヅキさんは…」

淀んだ空気をとばすように、ヒロは爽やかに笑った。

コウジの部屋に着くと、コウジは少し不満そうな顔をして座っていた。

コウジ「どうしたの?遅くない?」

ヒロ「ごめん、色々あってさ。カヅキは少し遅れるから。」

カヅキは怒るだろうけど、さっきAちゃんに嫌な思いさせたかも知れないし…
カヅキ…空気よんで元気よく入ってきてくれよ…

3人で先に朝食をとっていると、バタバタと音がして勢いよくドアが開いた。

カヅキ「おいっ!ヒロ!何置いてってんだ…っておいい!何先食ってんだよ!」

ナイスカヅキー!

ヒロ「あっははは!言うと思ったよ〜!」

カヅキ「おまっ…わざとかよ!」

状況がよくつかめていないコウジは首をかしげていたが、ヒロの笑いにつられてくすくすと笑い出す。それはAも同じだった。

カヅキ「何笑ってんだよー…俺も食うっ。」

小学生のようないじけ方にAはニヤニヤと笑う。

……よし。気分よくなったかな。これでもしカヅキがホントに怒っちゃったらどうしようかと思ったよ………

コウジ「あのさ。今度の大会の話なんだけど。」

急にコウジが真面目な話に切り替える。
3人の視線が同時にコウジに向いた。

コウジ「聖さんに言ったら、即OK取れたんだ。」

カヅキ「マジかよ!」

ヒロ「良かったねAちゃん!」

彼女は何も言葉に出さないが、その表情から喜びが感じられた。

コウジ「それでね。衣装の候補を見て欲しいんだけどね…」

カヅキ「やること早いな………」

コウジはスマショの画面を3人に向かって見せた。

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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時

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