page82 言い争い ページ34
カヅキ「はぁあ。今日もいい湯だったなぁ。ん?」
風呂から出ると、ざわざわと話し声がした。
近くから聞こえるのでおそらく食堂だろう。
そっと食堂に近づく。
「だーかーらー、いくらなんでもそれはないっしょ。」
「じゃあなんだっていうんだよ!俺がおかしいのかよ!」
「とりあえず落ち着け2人とも。」
「そうだよ。もう夜だしあまり騒がしくしない方が……」
喧嘩なのだろうか。新入生達が言い争っている。やめさせようと食堂に足を踏み入れた。
カヅキ「おお、だいぶ荒れてんな。どうしたんだ。」
「「カヅキさん…!」」
視線を動かすと椅子に腰かけたタイガの姿が。
さっきしていた話を思いだし、答えを告げる。
カヅキ「ああそうそう。タイガ、やっぱ誰もいなかったぞ。」
タイガ「あ…そうでしたか…」
カケル「ほらぁ。やっぱりタイガきゅんの聞き間違いじゃん。」
タイガ「るせぇカズオ!」
再びもめ始めそうだった2人に、まぁまぁとわって入ったのは鷹梁ミナト。その穏やかな声と、しっかりとした腕で2人の肩を掴んだ。
ミナト「この話はおしまい。それより早くお風呂に入ろう。」
タイガ「……ちっ…」
何でもめていたか、だいたい分かった。多分タイガがAの事を話したんだろう。この寮に女がいるはずないとか、幽霊だとか言い争ったんだろうな。
カヅキ「元気なのはいいけど、喧嘩もほどほどにしろよ。」
「「……はい…」」
新入生が静まったところで、カヅキも部屋にもどる。
相変わらず元気な後輩達だ。Aのこと、ばれないといいけど…
はっと顔をあげると、階段の上にAがいた。
カヅキ「A?」
A「あ……おかえりなさい…」
こんな所で何を…?
最近Aは特に用もなくうろうろしている事が多い。部屋にいるのが飽きたのだろうか。
A「あのっ。」
カヅキ「ん?」
A「あの……スタン見ませんでしたか!?」
カヅキ「えっ!?」
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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時