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page75 プレッシャー ページ27

ーAsideー

さっきの話…OKしちゃったけど、コウジさんの作った歌を歌うって、結構責任重大…?

夕食のムニエルをほおばりながら、Aはさっきの出来事を思い返していた。コウジは天才アーティスト。そんな人の作った歌を歌うなんて、嬉しいことだが、プレッシャーもかかる。

ヒロ「…おーい、Aちゃん?」

A「はっ、へ、はい?」

ぼーっとしていたからか、気がついたら3人に見つめられていた。

カヅキ「どうしたんだ?考え事か?」

コウジ「もしかして…ムニエル美味しくなかった ?」

悲しそうな顔でコウジに尋ねられ、慌てて否定する。

A「ええ、そんなことないです…。………ちょっと考え事してただけで…。」

そう言うとコウジの表情は和らいだ。

コウジ「なんだ、それなら良かった。」

カヅキ「それでさ、この間の仕事で…」

考えるのをやめて、Aもカヅキの話に耳を傾ける。

ヒロ「………。」


夕飯が終わり、それぞれ部屋に戻ろうと廊下に出た時、Aは誰かに手首をつかまれた。
振り返るとヒロがすぐ近くに立っていた。

ヒロ「ちょっと、いい?」

笑っているが、いつもの笑顔とは少し違う。
黙ってヒロについていくと、ベランダに連れていかれた。
ヒロは周りを確認したうえでAに話しかけた。

ヒロ「なんかあった?」

A「え。」

唐突に言われて驚いていると、ぐいっと顔を寄せられる。

ヒロ「俺の目は誤魔化せないよ…?」

ちっ近い………!!

A「あ、ええっとその…コウジさんに、コウジさんの歌を歌ってほしいって言われて…」

ヒロ「コウジの、歌?」

やっと顔を離され、ほっと息をつくと引き続き質問された。

ヒロ「コウジに頼まれたの?」

A「え、はい…」

しばらく黙ったまま、ヒロはAを見つめた。そしてふっと笑い、Aの頭を撫でる。

ヒロ「ははっ、さすがだね。あのコウジをそこまで本気にさせるなんて…なるちゃん以上かも。」

A「!?なるちゃ…?」

恥ずかしくなり、顔を赤らめながらヒロを見ると、最後におでこをポンッと叩かれる。

ヒロ「ははっ、頑張ってね。」

A「頑張る…?」

頑張るって…歌を…?

聞く間もなくヒロは立ち去ってしまった。
でも、ヒロの応援で少し不安がなくなった気がする。



ヒロ「ふふっ。(…これは一大イベントがありそうだ。)」

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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時

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