page67 連絡先 ページ19
ーAsideー
夜、ノックが聞こえて扉を開くと氷室聖が何かを持って立っていた。
聖「遅くなってすまない。スマショが届いたから渡しに来たよ。」
A「あ、ありがとうございます。」
白色のスマショを受けとると、スタンが寄ってきた。
聖「その中に入れられる仕組みになっているんだよ。それならいつでも様子を見られるだろう?」
A「入れられるって……」
尋ねようとした時、スタンがスマショの中にヒョイっと入ってしまった。
A「えっ!?」
驚いたのもつかの間、今度はスマショから出てきた。
「スタンスタン〜」
聖「わかったかな?他にも電話とか写真もとれるから、オバレの3人と連絡先を交換してはどうだろう。それじゃ、私はこれで。」
一通り説明を終え、聖は部屋から出ていった。
スタンがスマショの中を出たり入ったりしている。
A「連絡先かぁ…」
「スタン…?」
改めて連絡先を聞くとなると少し緊張する。
聞くのやめようかな…
ぼんやりと窓の外を眺めていると今度は明るく爽やかな声がドア越しに聞こえてきた。
「Aちゃん。お風呂あいたみたいだよ。」
A「あっ、はい…!」
Aにはその声の主が誰かなんてすぐわかった。慌てて準備し扉をあけるとそこにはヒロの姿があった。
ヒロ「そんな急がなくても…って、スマショ届いたんだね。」
A「え…」
手元を見ると、慌てていたからか何故かスマショを持っていた。
置いてこようとするとヒロに腕をつかまれた。
ヒロ「あ、ねぇ。ちょっと待って。俺も今スマショ持ってるから、番号とか教えてよ。」
A「えっ…」
まさかヒロから連絡先の交換を申し込まれると思ってなかったので、言葉が出ずパクパクと口を動かした。
ヒロ「………嫌?」
Aの様子を見てそう尋ねたヒロに、手のひらを前にぶんぶん振りながら答える。
A「なっ、嫌じゃないです…おお願いします…」
くすっと笑ったヒロはスマショを取りだし連絡先を表示した。
ヒロ「はい。俺の。次はコウジ達とも交換しなよ?」
連絡先を打ち込みながらAは「はい。」と返事をした。
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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時