page66 ペンギン ページ18
カヅキ「ぺ、ペンギン?」
Aの背後から出てきたのは…白いペンギンのような生き物。くるくるとAの周りをまわっている。
A「………出てきちゃったのね…」
カヅキ「そいつは…」
A「なんかついて来ちゃって…隠しておこうと思ったんですけど…」
どうやらさっきからAの背中に隠れていたらしい。
カヅキ「そうか…とりあえず、つれて帰るか?」
A「いいんですか!?」
嬉しいそうなAを見て思わず笑みがこぼれた。
カヅキ「ああ!いいぜ!飼えるかどうかは聖さんに聞いてみないとわかんねーけどな。」
A「ありがとうございます…!」
Aはペンギンとたわむれながらお礼を言った。帰り道もその白いペンギンは元気に飛びまわっていた。寮に着くとちょうどヒロと遭遇し、話を聞いてもらった。
ヒロ「なるほどね…やっぱり聖さんに聞くのが1番かな。」
意見が一致したところで、3人は聖の部屋に向かった。ドア越しに声をかけ、中に入る。
聖「どうしたんだ?いきなり。」
相変わらずの優しい笑顔で尋ねられた。
カヅキが説明しようとすると、先にAが口を開いた。
A「あの…この子飼ってもいいですか?」
そう言ってペンギンを見せる。聖はまじまじとその生き物を見つめ、Aに視線を戻した。
聖「ペアともじゃないか。」
A「ペアとも…?」
ヒロ「ああ…聞いたことあるような…」
ペアとも〜?やっぱり普通のペンギンじゃないってことか…
聖「それならスマショを手配するよ。それまで部屋に一緒にいるといい。」
A「じゃあ…」
カヅキ「飼ってもいいってことだよ。」
そう言うとAはペンギンを見つめて嬉しそうに微笑んだ。
A「ありがとうございます…!」
お礼を言って部屋から出る。スマショとは
スマートポッドショットの略。その中にペアともを入れられるらしい。
…どういう仕組みかわからないが…
前を歩くAの足取りは軽く、すでにペンギンに名前をつけていた。
A「…スタン。」
「スタンスタン!」
鳴き声のまんまの名前だが、ペンギン本人も気に入っている様子。スタンとAはニコニコと笑い合っている。
カヅキ「………なぁヒロ。あいつ、よく笑うようになったよな。」
小声で話すと同じ声量で返事が返ってきた。
ヒロ「ああ。そうだね。」
85人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時