page61 燃える心 ページ13
オバレの３人に見送られ、Aは舞台裏に向かった。そこにはすでに１０人ほどの女の子達が集まっていた。
「は〜…緊張するぅ…」
「できる…できる…」
どの人もプロっぽいオーラの人はいない。
全員初心者なのだろう。
着替えをすませると、スタッフが声をかけた。
「皆さん、出演順に並んで下さい。」
ざわざわと周りが動き出す。
自分は最後と決まっているのでスムーズに１番後ろに並んだ。いよいよ開演………うまくできるだろうか………
１番最初の人が誘導されステージに向かった。
「それではプリズムショーを開始します！まず最初にショーを披露してくれるのは〜？………」
アナウンスの後、明るく陽気な音楽と共に１人目のプリズムショーが始まった。会場も一気に盛り上がる。
やがて少女はジャンプをとんだ。
「「ラブリースプラッシュ！」」
スプラッシュ………私のジャンプと同じ名前…
１人目のショーが終わり、続々とステージに立ちショーを披露する少女達。１人ステージにあがるたび、自分の番が近づいてくる。
何人もの人がジャンプをとんでいる。着地まで完璧に。
A「(………負けたくない…)」
Aの心に火がついた。
「「さぁいよいよラストのショーとなります！大とりを飾るのは〜？この方！」」
アナウンスと同時にステージに上がる。後ろのスクリーンには自分の名前が映っている。
観客の数は……それはもう数えきれないほどだった。拍手が会場中に鳴り響く。
「「それではミュージック…スタート！」」
音楽を聞き、Aは息を吸った。
曲とタイミングを合わせ、歌い始めると、あっという間に会場はAの歌声に包まれた。
「なんて美しい歌声…」
誰もがそう思った。歌だけでなく、ダンスもこなしていく。
観客の表情は、自然と笑顔へと変わっていった。
A「(あぁ…楽しいなぁ…)」
ジャンプの準備に入ろうとした時、上の方に何かが光った。
A「……！(あっ…！あれは…)」
あの時のピアノが現れ、Aはそのまま真上にジャンプしピアノを腕にかかえた。
ステージに着地するとまた自然と言葉がもれた。
A「「プリズムラ〜イブ！！」」
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作者名：kiko | 作成日時：2018年7月1日 16時
