煌めきを君に

page22 崩れたもの ページ22

翌日、僕たちはAにプリズムショーをさせるために練習場に向かった。
本当にこの子にショーができるのだろうか……………

ヒロ「ねぇ、昨日の曲、聴いてくれたかな？いい曲でしょ？」

A「あ、はい……とてもいい曲でした……」

お、聴いてくれたんだ……………これなら、振り付け教えればすぐできるかも…。

カヅキ「そうかー！じゃあ今から、プリズムショーやろうぜ！」

A「えっ…？」

う〜ん…まぁそうなるよねぇ……カヅキ、タイミング早いよ……

ヒロ「あ、えっと……この間、僕達のショー見てくれただろ？それを、Aちゃんもやってみないかってこと。」

ヒロ………フォローお疲れ様………

A「えっ、いやでも……………私は……」

コウジ「だ〜いじょぅぶ！君ならできるよ」

４人で練習場のリンクに立つ。さっそく、振り付けを教える。
実はサビまではできたがサビ以降は振りが作れていない。

まぁサビまでのプリズムショーでも充分だよな……


振り付けを全て教え終えたとき、ヒロが音楽をかけに戻ってきた。

ヒロ「よし！それじゃあやってみようか！」

A「え！？」

そりゃね……………まだ早い気もするけど……

カヅキ「お前ならできるさ。音楽と気持ちを合わせるんだ！あとはフリーダムにやればいい！」

コウジ「歌いながら踊るってことだけ考えればいいよ」

うん。氷の上だから難しいだろ、って顔してるね。最初はみんなそう思うものだよね〜。でも、簡単なことなんだ。

音楽がかかると、Aは少し恥ずかしそうに歌いだす。ダンスも頑張っている。
ああ………足元心配そう……

カヅキ「大丈夫だ！思いっきりやってみろ！」

ヒロ「この間僕と滑った時のこと、思い出して！」

２人が声をかけると、不安そうだった足元も安定してきて、表情も和らいできた。

Aは恥ずかしさなくなり、楽しんでショーを続けた。

コウジ「……………！あれは…！」

すると、Aの足元からキラキラと何かが輝きだし、その煌めきはあっという間にあらゆる所に広まった。

カヅキ「な？すげーって言ったろ？」

隣でカヅキが囁いた。本当にすごい力を持った子だ……初めてのショーでこれほどの煌めきを放てるなんて…………

コウジ「(曲が………曲が見える……音が………)」

その時僕の中で、何かが崩れた気がした。

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