スターダスト・ノスタルジア 【N.R】

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田舎で生まれて、
田舎で育った。

私の家があって、
道路挟んで向かい側が、廉の家。

で、その周りはぜーんぶ田んぼ。



小学校まで、歩いて1時間かかるの。


2人で、毎日田んぼのあぜ道歩いてさ。
でも寄り道するから、全然進まない。

トンボがいたら走り寄って。
綺麗な雑草ずっと眺めてたり。
強い風が吹いたら、その音聞くために立ち止まる。

途中で歩くの疲れちゃって、重いランドセルをぽいって放り出したら、
廉が「も〜何やってんねん」とか言いながらも、持ってくれて。
背中に黒いランドセル、胸に赤いランドセル。

それが、いつもの廉の帰り道スタイルになっちゃってた。







・


中学校は、自転車使うようになったけど、
やっぱり1時間かかる。


朝、家を出たら
道路のとこに廉がチャリに跨って待ってて。


「遅いわバーカ！」とか言って。

にっこり笑って。



「ごめんごめん」
「反省の色が見えへん」
「ごめんて」


こんな会話して、
2人で自転車漕ぎ出す。


ペダルを踏んでも踏んでも、
なかなか景色は変わらない。

田んぼが続く。


そんな道を、
他愛も無い話しながら、
進んでくんだ。

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