其ノ弐拾玖 ページ31
Aside
−次の日−
私は、執務室で珈琲を飲み乍ら、朝刊を読んでいた。
朝刊の一面には、
『横浜連続失踪事件の被害者、
民間の探偵社が独断で踏み込んだ為、死亡』
と書かれている。
向こうも大変みたいだねぇ。
此の眼鏡の……国木田独歩だっけ？
可哀想だけど、滑稽な話だなぁ。
犯人の思惑にまんまとはまっちゃってさ。
そんな事を思いつつ、珈琲を啜っていると、執務室の扉がノックされる。
「はい、どーぞー！」
黙って入室してきた人物を見て、私は口角を上げた。
「おはよー、涙くん。」
「……お早う。」
涙くんは、少し眠たげだ。
「珈琲いる？」
「……いや、大丈夫だ。」
若しかして……
「苦いの嫌いなの？」
そう聞くと、涙くんは、少し気恥しそうに頷いた。
「まぁ、そのうち飲めるようになるんじゃない？
紅茶もあるけど、其方はいる？」
「嗚呼。」
紅茶好きなのかな？
紅茶って、彼所の棚にあったよね？
棚から紅茶を取り出そうとすると、
「待て。俺が淹れる。」
涙くんに止められる。
「何か
「そうでは無い。Aは俺の上司だ。
上司に淹れさせるのは心苦しい。」
別に気にしなくていいのに……
「そう。なら、勝手にして。
ダージリンとか、アールグレイとか……
一通りは揃ってる筈だからさ。」
小さく頷いた涙くんは、棚からオレンジペコを取り出した。
随分と、可愛い紅茶を飲むんだね……
涙くんが紅茶を淹れだしたタイミングで、私も新聞に目を戻す。
……矢っ張、此の記事面白いわー
取っておこうっと。
「何か、面白い事でもあったのか？」
紅茶を淹れ終えた涙くんが、ティーポットとカップを手にそう聞いてくる。
「ん、まーね。あ、涙くん。私、今日出掛けるから。」
「そうか。なら、同行する。」
うん、そう云うと思った。
「ううん、平気。
仕事とかじゃないし、ちょっと特殊な用だから。
あんなことがあって、涙くんも疲れたでしょ？
今日は休みなよ。」
涙くんは、納得がいかないようで不満気な顔をしていたが、
「判った。」
と、紅茶と共に自分の感情を流し込んだ。
「それで？涙くんは、如何して此処に来たの？」
「仕事を貰おうと思ったんだ。」
「なら、もう用はないね。
それ飲んだら帰りなよ。私も一緒に出るからさ。」
その後、涙くんと別れた私は、とある人物を訪ねるために長い廊下を歩きはじめた。
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舞花 ひめ(プロフ) - 櫻色華伝さん» コメント有難う御座います！涙香くん、可愛いですよね！私もデレデレしながら書いてます(( これからも頑張って更新させて頂くので、これからも宜しくお願い致します。 (2020年1月8日 10時) (
レス) id: 56c3681e86 (このIDを非表示/違反報告)
櫻色華伝(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！夢主(私は累-かさね-ちゃんとしてます)LOVEの涙香くん可愛すぎる！応援してます。更新頑張ってください！ (2020年1月7日 15時) (レス) id: bb11e6ace8 (このIDを非表示/違反報告)
舞花 ひめ(プロフ) - ▼とあるヰ琉兎さん» 有難う御座います！頑張って更新させて頂くので、楽しんで頂ければ幸いです！▼とあるヰ琉兎さんも、頑張って下さい！応援してます！ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 95f7a369ce (このIDを非表示/違反報告)
▼とあるヰ琉兎(プロフ) - 首領の意味深な発言や芥川との関係が良かったです！！この先どう進んでいくか気になります。更新楽しみにしてます！！これからも、応援してます(´ω｀*) (2019年4月3日 21時) (レス) id: ff0f774975 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞花 ひめ | 作成日時：2019年3月1日 7時
