青空願ってまたあした青赤 (ページ9)

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青side

コンコン、とノックの音がして病室の扉が開かれる。

ひょっこりと顔を出したその人は、俺のよく知ってる顔だった。

青「あれ、照史やん」

橙「お？なんや、流星やんか！」

美味しそうな匂いを漂わせたおぼんを運んできたのは、同じサッカー部で親友の小瀧望、その兄の照史やった。

望とは、高校からの付き合いやけど、何度も家にも遊びに行ってるからお兄ちゃんの照史とも面識がある。

めちゃくちゃ気さくで話しかけやすい照史とは、タメ口で話せるほど仲良くさせてもらっている。

橙「ほい、しげ！今日の夕ご飯やで〜！」

赤「あきとありがと〜」

今年から社会人となった照史が看護師をしているというのは聞いていたけれど、まさかここの病院だったとは。

偶然にも程がある。

世間てほんませまいなぁ。

橙「しげと流星、友達やったん？」

赤「昨日初めて会ってん！友達になったんやで〜ええやろ〜」

赤色のマグカップに注がれたお茶に口をつけながらしげが笑う。

運ばれてきた食事はなんというか、質素で食欲がそそられるものではないなと心の中で思う。

けど、

赤「流星おなかへったん？お腹の虫が鳴いとるで」

青「ほっとけ」

質素な見た目でも食欲はそそられていたみたいや。

部屋に置いてある時計に目を向けると、18時を少し過ぎたところで、そりゃお腹も減るよなと考える。

橙「流星はなんで病院に来とるん？」

青「淳太が入院してるんよ」

橙「あ、そっか！そこ幼馴染やったな笑」

これまたなんの偶然か、幼馴染の淳太と親友の兄の照史は同じダンススクールに通っていたらしくかなり仲の良い友達らしいのだ。

橙「淳太くんのリハビリも順調みたいやし、よかったよなあ。入院してきた時はびびったけど」

けらけらと笑う照史に釣られて笑みがこぼれる。

照史がおるなら淳太も退屈しなさそうやな。

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