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「良くない。


離してよ。」



北「え、照れてる感じ?


わかりやすいねー。」



「…!?

照れてるんじゃなくて、拒否してるの!



…デートしに来たってと思われるじゃん。

付き合ってもないのに、カップルだと思われちゃう。」


そうやっていったら、



北「いいじゃんそんなの。


てか俺は、一応デートの予定なんですけど。」


って。


…え、デートだったのこれ?



「デートなんて、意味わかんない。」


北「気にすんなって。


…イルカショーの席取らないとだからいくよ!」



手を引っ張られて少し早歩きで向かう。

人が多いのに、手を繋いでるからはぐれることなんてない。


…そしてドキドキしてる私。



思ってることと、体が矛盾してて自分でも意味がわからなくなっていた。



ショー現場につくと、結構席が埋まっていた。

でも、座ることが出来たし、私たちよりあとに来た人は立ち見になってたから少し安心。



北「ほら、繋いどいてよかったじゃん。


絶対はぐれてショーみれなかったよ。」


ニコって笑う顔、その顔を直視できない。


…やばい、本気で北山くんにときめいちゃった、私?




大好きなイルカショーなのに、隣の人が気になってなかなか集中できなかった。

その後もずっと手を握られてるし。


途中、写真をやるコーナーがあって、担当のお姉さんに2人は付き合ってるんですか?って聞かれた時も

「そうなんですよ〜。

最近付き合って。


分かっちゃいます?」

なんて言うから合わせるしかないし、…写真もちゃっかり撮ってしまった。


やっぱり北山くんが考えてること、全くわかんない。



北「やっぱ海の生き物すげーわ。


あー、パラオの海また潜りたいー!!


…ちょっとトイレ行ってくるからここの前で待ってて?

いいか?

絶対動くなよ!

はぐれるから。」



さっきからずっと緊張してる私は、うんとか分かったとかしか言えない。

今も、わかったとだけ言ってトイレの前のイワシの水槽の前で待つことにした。


「きれい…。」


渦をまくイワシがとても綺麗。


でもさ、北山くんって何者なの?

タダのチャラ男だと思ったらそうでもないし。


…一昨日の人と同一人物なわけ?





北「お待たせしました。」



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作者名:yun | 作成日時:2017年4月11日 0時

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