いつだってそばにいて (ページ21)

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特に酷かったのがおかんのAちゃん。

紫耀が泣き喚くたんびに傍に寄るもんやから、そりゃいっつも叩かれて、幾ら子供や言うても普通に全力で殴るもんやから、Aちゃんの腕はいっつも痣だらけで。

母親を下の名前で呼ぶほどAちゃんが大好きやった俺(笑)は、とにかくそれが許せんくて紫耀が大嫌いやった。

いや、まあ紫耀が他の人とちゃうことはこの頃には理解してたけど、それを怒られもしない紫耀が、反省なんて少しもしてへん紫耀が、憎くて、

それでAちゃんのこと守りたいって、ある夜、晩御飯を食べたくないって泣き喚く紫耀を思いっきり叩いた。

したら、案の定一層パニックになった紫耀は家中暴れまわって、そりゃもう大惨事笑、

そんな中でもAちゃんは、そんで仕事帰りの優太さえ紫耀にばっか目をやって、その原因の俺のことはチラリとも見てくれなくて、

あ、Aちゃんは俺なんてどうでもいいんや、紫耀しか好きやないんや、って幼心に感じて、自暴自棄になって、自分の部屋に逃げ込んだ。

バカな紫耀なんかより、俺の方がAちゃんのこと好きやのに、大切やのに、って。

1時間くらいして、突然Aちゃんが部屋に入ってきた。ほっとかれるもんやと思ってたからそれだけで少し安心したりもして笑

したら、

「廉。」

って今までに聞いた事ないようなひっくい声のAちゃんが俺を呼んで、あ、ヤバいことしたんやなって、やっとこのとき実感した。

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