いつだってそばにいて (ページ17)

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健人

パパと離れてもポロポロ涙の止まらない紫耀だけどでも、俺が引っ張らなくてもちゃんと歩いてくれるから、学校に行かなきゃいけないってのはちゃんと分かってるんだろう。

靴を履き替えさせて、教室まで、また手を結んで歩く。

2年A組。紫耀のクラス。ガラガラ、っと扉を開けると、

大きく開いた目でぱちぱちっと瞬きをしながら紫耀を見つめる1つの視線。

そして、「おー紫耀、おはよ～」

佐藤勝利。この支援学校で知的クラスの高校2年生は紫耀と勝利しか居ないから、紫耀の唯一のクラスメイト。

そして挨拶をした方が、俺と一緒にこのクラスで先生をやっている菊池風磨。

勝利も、紫耀と同じ自閉症の子で、知能指数的には、多分紫耀より1.2歳くらいは上になるのかな？、多分そう。

グズグズ、真っ赤っかな顔でまだ涙が止まらない紫耀のそばに、勝利が駆け寄ってくる。

と、心配してるのか、興味本位なのか、紫耀の顔をぺたぺたって手のひらで触る勝利。

「あっこらしょーり(笑)ダメだよ、」

すごいほのぼのしてて、思わず笑いが出ちゃうけど、紫耀はやっぱり不快なのか、不安げな目で、「早く止めてよ」みたいな表情で俺を見つめるから、急いで離させる。

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