いつだってそばにいて (ページ12)

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ザー...ザー...

んー、言わんこっちゃない笑

どんどん強くなっていく雨に、紫耀の身体が強ばってくのが見てわかる。

「紫耀、カッパ着ようね、着ようね、」

雨が降るとよく紫耀の口から出てくるこの言葉は、多分Aが雨の日に紫耀にいつもかけてくれてたんだろう。

「濡れたら風邪引くよ。傘をさします。」

「んーー紫耀、今日はお外出ないからカッパも着ないし傘もささないよ、」

そう言っても知らんぷりの紫耀にとったら、この言葉は自分を安心させるためのおまじないみたいな言葉なのかも。

そんな時、ピュンっ！と紫耀がリビングから飛び出した。

「あっ！こら紫耀！」

雨が降ると多動が酷くなる紫耀だけど、何となく行く場所は分かる。

ほら正解。玄関にいる紫耀は、ドアノブをガチャガチャする。

「出ないよ、紫耀。」

紫耀が突然出て行ったりしないように、家の鍵は内側からも、鍵を刺さなきゃ開かない使用になってるから、紫耀がどう頑張ったってその扉が開くことはない。

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