田中くんの彼女になる方法

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馬が合わない、とは好みや考え方が合わず付き合いにくいことをいうらしい。ちなみに不仲とはシンプルに仲が悪いという意味だ








「何回もごめんね。って言ってるじゃん…」





「…謝る態度かよ、それ」




「態度って何…こんなに平身低頭なのに…」




学食でトレーを返そうと歩き出した時、水の入ったコップを落としてしまった。運悪く水飛沫がとび、『馬の合わない』『不仲』な彼に少しかかってしまった






「ごめんね、松村くん。どうしたら許してくれるのさ…」




「…ならさ」




「連絡さ」「Aー！北斗！おつかれ！」







神様、慎太郎様だ…きっとあのままだったら無理難題を言われたに違いない






「しんたろー…松村くんが怒ってて許してくれないんだよ…たすけて…」




「なに、また北斗怒らしたの？Aばかだな。おまえ」




「別に怒ってねえよ。ただ、その…」




「なに…かね？金払ったら許してくれるの？」




今お金ぜんぜんないよ…もう許して…。と懇願すれば「もういい…」といじけたように帰っていく






「松村くんってなんであんな怖いの？他の人にもあんななの…？」




「あー…あれは拗らせてるだけ。みてみ。すっげー肩落として歩いてんの」





「怒ってんのに肩落としてるって何？情緒不安定かよ…」




嫌い、ではないのだが何を考えてるのかよくわからなくて松村くんは苦手だ






「てか、A！たいへん！樹が手作りお菓子たくさんもらったから皆で食べ尽くしてんの！早く行こ！」




「なにそれ！！！早くなくそう！惚れ薬とか入ってるかもしれない！」




惚れ薬はねーよ、と笑われるがそんなの分からない！田中くんを手に入れるためなら…という思考は理解できなくもない！






「慎太郎！はやく！田中くんを救わないと！」




「いや、ふつーに美味いやつだよ？」




走って田中くんの元へ向かう









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Aと一緒にはしゃいでいる慎太郎が心底羨ましい。樹のことが大好きな彼女をみるとイラついて酷い態度をとってしまう。









「よう、北斗！今日も拗らせてんな」








と去り際に慎太郎に声をかけられて更にいらつく






「うるせえ…」






正直めちゃくちゃへこむ。怖いとか助けてとか好きな女の子に言われてみろ。俺が悪いんだけど…









ただ、ビクビクと俺を見上げる彼女はなかなかに可愛い…ってこれはガチできもいな









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