第37話 過去編in魚人島 ページ4
貴女サイド
少年「!?サッ」
貴「待って!!退屈なんでしょう?お菓子もあるの。こっちにいらっしゃい。」
少年が扉から出てきた。
貴「ほらこっちにおいで。名前なんて言うの?」
少年「…俺の名前はフカボシだ。お前の名前はなんて言うんだ?」
貴「私はAよ。ほら、食べなさい。お菓子は嫌い?」
フカボシ「…いや嫌いじゃない。食べる。」
フカボシはいろんなことを聞いてきた。今まで何をしてきたのか、海の上の話など会話が途切れることは無かった。
貴「さぁ、フカボシ。まだ話したいのはやまやまなんだけど時間ももう遅いわ。部屋に戻って寝ないとお父さんに怒られるわよ?」
フカボシ「!?ほんとだ!!おやすみなさい、Aさん!!」
貴「おやすみなさいフカボシ。」
フカボシに手をふり、私は宴に戻った。
しばらくするとみんな酔いつぶれてしまい、宴会場で雑魚寝をした。そこに混ざるのはアレだが、宿も取ってないので仕方がない。私も広場で雑魚寝をして一夜を明かした。
翌朝私は体中の痛みで目が覚めた。
貴「うっ…やっぱり硬い床で寝るのはキツいわね。」
私が体をほぐしていると宴会場の扉が開かれた。
オトヒメ「!?目が覚めてたのね。」
オトヒメがかけよってくる。
オトヒメ「昨日はどうもありがとうございました。倒れた私を運んでくれたのでしょう?」
貴「えぇまぁ。それよりお体の方はもう大丈夫なんですか?」
オトヒメ「もうすっかり元気ですよ!!」
私はオトヒメさんと話した。オトヒメさんはとても美しく慈愛に満ち溢れた人だった。
オトヒメ「やっぱり人間にはあなたのような素敵な方もたくさんいるわ。リュウグウ王国の人々にも知って欲しい…」
貴「オトヒメさんは昨日署名を集めていたようですが、なんの署名なんですか?」
オトヒメ「あの署名はリュウグウ王国の海上移設に賛同する署名なんです。子供達は海の上に憧れています。その憧れを大人が潰してはいけないでしょう?」
私はこの人を手助けしたいと思った。国のためにここまで動ける王妃は今までに見たことがない。
貴「その署名集めるの手伝わせてください。私の出来ることなら何でもします。」
オトヒメ「!?本当ですか!!嬉しい!!」
私はこの日からオトヒメさんの手伝いを始めた。月日が流れるのは早くもうすでに手伝いを始めて1年がたった。この1年で魚人島の人達には名前で呼ばれ、よく話しかけられるようになった。オトヒメさんと私も互いを呼び捨てで呼び合い、親友と呼べる仲になっていた。
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作者名:あずき丸 | 作成日時:2019年5月5日 10時