07.そばに居て、なんて言えなくて ページ8
「ペ神ーって、おらんやんあの人…」
優希に抱えられたまま保健室へと連れてこられソファーに降ろされる。幸いな事に鼻血止まりかけていて少し抑えればすぐに止まった。
その間に優希は利用時間をリストに記入して救急箱を引っ張り出す。そして鼻血で汚れた手をウェットティッシュで手を優しく拭ってくれた。
「ほら、そっちの手も出して」
『…自分でできるから戻ったら?』
「ええねんそう言うの。俺に任せとけて」
こういう時の優希は譲らない。フラフラしてる私に「ちょっとゴメンな」と鼻に触れてきた。
「切れただけやから鼻血はもう平気そうやな。まだ頭グラグラする?」
『…ん…』
「脳震盪かもしれんなぁ…少し寝よ」
優希はそう言うが体に力が入らなくて立ち上がる事すら叶わない。座り込む私に優希は仕方がない、と背中に手を添えそっと横にさせた。
『っ、』
「硬くてゴメンやけど、我慢してな?」
頭が優希の膝の上に乗せられ目を丸くする。
所謂膝枕の体勢。どうしてこうなった?
『ゆ、うきっ やd「ええから、大人しくしときや」んゔっ』
起き上がろうとすれば首元に腕が回され戻される。フラフラするのでそのまま起き上がらずにいれば、大きな手が頬をそっと撫でた。
「ええから寝とき。…女の子やねんから、男を頼る時は気にせず頼ってや」
心配する優しい声に視界がじわりと滲む。優希はいつだってこうだ。私が弱った時や悲しいことがあった時、こうして傍に寄り添い甘やかす。それが嫌いな訳では無いが、それを受け入れてしまえば私は彼にグズグズに甘えてしまうのだ。
『…ご、め』
「ええてええて。今は寝とき?鐘鳴ったら起こすから」
『…うん』
優しい手を受け入れ目を閉じれば次第にやってきた眠気。そのまま目を閉じれば「おやすみな」と優しい声が聞こえた。
何でだろう?優希は親友ってだけのはずなのに。
いつも隣にいて馬鹿をやってるだけの仲のはずだったのに。
優希を取られたくない、そばにいたいだなんて。
思う私はわがままなのだろうか?
だけどそれ以降私と優希に進展はなく。
《日野さんに告白、》
《無事成功!》
《付き合う事になった!》
そう夜にLI〇Eが送られてきて。
私は《おめでとう》とだけメッセージを飛ばし、
LI〇Eだけでは無くTw〇tterも、
彼のアカウントをブロックした。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです!更新お疲れ様でした! (2021年2月26日 19時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです!更新がんばえ〜! (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう?続き楽しみにしてます!更新頑張ってください、応援してます!! (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、!続きの展開がどうなるのか凄く気になります!皆さん同様に、応援しています! (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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