21.溢れ出して止まらない ページ22
おい親友よ。いいのかお前そんなブレブレで。
「やって本当の事やし…」
『心を読むな心を』
「A結構顔に出とるで？」
『…見ないでよ』
「嫌や。むしろガン見するわ」
『やめてってば』
あとそろそろ離れて、と整った顔を押せば苦しそうな声をした後に優希は優しく笑った。そしてそのまま手を外されそっと指を絡められる。
「俺な、ココ最近ずっと考えててん」
『…何がさ』
「日野さんとA、どっちとおる方が幸せなんかって」
優希も私も両親が楽観的な性格なので幸せなら良いという判断で行動する様にしている。その為か優希はずっと日野さんと居る時に何かが違うと考えていたらしい。
『でもアンタが一目惚れしてちゃんと好きになった人なんでしょ？なら間違いじゃないでしょ』
「…ちゃうねん」
『どういう事よ』
「…俺ずっと考えてたんよ」
ふにふにと遊ぶように強弱をつけて握られる。素肌から直接感じる熱にじわじわと頬が熱くなっていく。
「日野さんとおる時しあわせやった。やけどやっぱり違うねん」
『…何がさ』
「隣にAがおらんとな、つまらないんよ」
『っ』
ふにふに遊んでいた手が止まってゆっくり持ち上げられる。その間手は彼の頬に寄せられ軽く撫でられた。
「日野さんが隣におってもAがおらんと嫌や」
『…そんなの、ダメ…でしょ…っ』
「せやからな、考えたんよ。どうしてAが隣に居らんと嫌なのか」
ダメだ、聞いちゃダメだ。
だって私は親友として隣に居るって決めたんだから。
優希だってずっとそんな素振りさえ____
「俺、Aの笑顔が好き」
『！』
「たまに意地悪な所も、家反対側なのにわざわざ来て起こしてくれる優しいとこも、ノート貸さないって言ったのに最後は甘やかしてくれるとこも、全部、好き」
『ゆ、うき、っ』
真っ直ぐな目で想いを吐露され顔が真っ赤に染っていく。そんな顔を見られたくなくて腕で顔を覆えば「隠さんでや」と両腕を剥がされた。
「A」
『う、ぁっ』
「俺、やっと気付けた。俺、Aの事好きや」
ドクドクと心臓が煩い位に脈打つ。ゆでダコの様に真っ赤な私を優希は引き寄せ優しく抱き締めた。
「Aは？俺の事…好き？」
耳元で囁かれ体がびくりと震える。
そんな聞き方、ずるい。
「なぁ」
意地悪な笑みを浮かべる優希。
だけどそれが一番優希らしくて
『…す、き………だよ…』
と呟けば嬉しそうに笑い、次の瞬間には目前に彼の顔があったのと唇の柔らかい感触を感じた。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです！更新お疲れ様でした！ (2021年2月26日 19時) (
レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです！更新がんばえ〜！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう？続き楽しみにしてます！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、！続きの展開がどうなるのか凄く気になります！皆さん同様に、応援しています！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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