19.君が幸せなら ページ20
あの後計画通り、鬱先輩が生徒会長を、ショッピ君が先生を連れてきて放送室へとやって来た。彼女が吸っていたタバコの吸殻と制服のポケットから箱が見つかり、彼女はそのまま先生に連れていかれた。
これで全てが終わった。
『…優希、そろそろ離して』
「嫌や」
先程からずっと抱き締めている優希は少し泣いてるようで、肩に顔を埋めて動かない。
『優希』
「嫌やもん」
『もん、じゃない』
頭を叩いたり押したりするけど全く引き下がらない優希。
それを見兼ねたのかショッピ君はため息をついて私の肩を叩いた。
「…AさんAさん」
『ん？』
「そろそろ答え、聞いてもいいっすか」
『…あー』
歯切れ悪くそう言えば肩に顔を埋めていた優希がそれに反応してショッピ君を見た。
「答え？なんの？」
『優希には関係な「告白の答えや」ショッピ君！』
ショッピ君の言葉を聞いて腕にさらに力が込められる。おい待てそこ蹴られたとこrいたたたたたたたたたたたたたたたたたたたっ
「チーノ待てAさん痛がっとる」
「っあ、ごめん」
『ごめんですむかばか…』
尋常じゃない痛みに体を丸めれば優希が私を横抱きにして立ち上がる。
「ショッピ、俺Aを保健室に連れてくるわ」
『え、ちょ』
「わかった。あとはこっちで任せといてや」
ショッピ君が口パクで「がんばって」と動かして手を振った。
『ショッピく…』
「行ってらっしゃい、Aさん」
ようやく理解した彼の優しさに、私は唇を噛み締めた。
ショッピ君ごめん…
ありがとう。
※※
syp side
先生達による事情聴取とグルッペンさんへの報告を済ませた後、疲れた俺は近くの自販機から缶コーヒーを手に取り開封して口に含んだ。
「ショッピ君ええの？」
休憩しに来たらしい鬱兄さんがそう言って棒付き飴を咥える。
「…何がですかね？」
「とぼけんでもええのになぁ」
そう言っても何がとは言わない兄さんには頭が上がらない。兄さんにはお見通しらしい。
「…チーノに取られるで？」
唯一それだけ言ってきた兄さんに
「Aさんが幸せならなんでもええですよ」
そう返して残っていたコーヒーを一気に飲み干した。
今まで唯一好きになった女性だった。
だけどそれに靡く事は無く、視線の先にはいつもアイツがいた。
「…幸せにならんと許しませんからね」
放った空き缶は弧を描き、綺麗にゴミ箱へと吸い込まれていった。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです！更新お疲れ様でした！ (2021年2月26日 19時) (
レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです！更新がんばえ〜！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう？続き楽しみにしてます！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、！続きの展開がどうなるのか凄く気になります！皆さん同様に、応援しています！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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