11.一番大切な存在 ページ12
結局あの後私は教室に戻る事も出来ず早退し、運良く土日を挟んでいつものように学校へと向かった。
この前の事が全部嘘だったらいいのに。そうなれば、チーノとまだ仲良く一緒に居られたのに。
『…どうしてこうなっちゃったんだろう』
その答えは、わからないままだった。
※※
「優希君優希君、あのね」
「うん？」
「あのね…__、____」
「…んふふ、そうなん？」
「そうなの…ふふっ」
『…邪魔なんだけど』
「あ、Aさん」
昼休みになり今日も生徒会室にお世話になろうとすれば、出入口にやって来たのはあの二人で。
「今日も生徒会室に行くんですか？私達もご一緒してもいいでしょうか？」
「…は？」
私の後ろに居たショッピ君がそう冷たい声を上げた。
「別にええやろショッピ。Aやって使ってるんやし」
「Aさんはええねん。そいつはダメや」
「何でや。差別やろそんなの」
「お前そいつの事信頼しすぎやで」
ショッピ君は冷たい目で日野さんを睨んで私の手を引いた。倒れそうになるも抱き留めてくれて、そのまま二人の横を抜けていく。
「ショッピ…」
「…チーノお前、見損なったわ」
紫と橙の瞳がぶつかり合う。
「お前を一番大切にしとった存在に気付けんレベルでアホとは思わんかったわ。…行きましょ、Aさん」
『う、うん』
私はそんな彼等に何も言えなくて、ただ頷いてついて行くことしか出来なかった。
※※
ci side
「…」
「…大丈夫？優希君」
「え？あ、うん、平気やで」
日野さんの言葉でふと我に返る。
俺を一番大切にしとった存在？誰が？Aが？
無意識に胸元を握りしめていた手を離し、自分で考えてみる。
最近ずっとAと居らへん。毎日のように一緒に居ったのに。オカンには「喧嘩？ちゃんと仲直りしなさいね」って言われたんやっけか。
「お昼休み終わっちゃうし、教室戻って食べよ？」
「ん。そうやな」
なんてAよりちっちゃい手をきゅっと握る。
「そうだ！この前ね、美味しそうなカフェを見つけて…」
「うん」
Aと違う少しだけ高い声
「今日の帰り行こ？…ダメ、かな？」
「全然ええで？」
やったー！と抱きついてきた彼女の、Aとは違うシャンプーの甘い匂い
やけど、そのどれもが俺の慣れ親しんだものとは違っていて。
「…優希君？」
違う。違うんや。
「…ごめん、やっぱり今日は帰るわ」
これじゃない、という思いが強くなり俺は彼女との約束を拒んだ。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです！更新お疲れ様でした！ (2021年2月26日 19時) (
レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです！更新がんばえ〜！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう？続き楽しみにしてます！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、！続きの展開がどうなるのか凄く気になります！皆さん同様に、応援しています！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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