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「では、私はこれにて」
『…気を付けて』
「ええ。では」
出立するというネムを見送ろうと出入口の方へと駆け寄る。
『行ってらっしゃい』
「…はい」
そう言えばネムはとても嬉しそうに、でも泣きそうな顔をしながら懐に仕舞っていた懐中時計を取り出し私の手に乗せた。
『これ、貴方の宝物じゃ』
「ええ。ですがもう必要なくなりました」
『？』
「貴女にはもう暗示を掛ける必要は無いですから」
『…どういう事？』
「いずれわかります」
懐中時計を両手を覆い握らせ、ネムは優しい笑顔を浮かべて「____お元気で」と小屋から出ていった。
『…ありがとうネム』
____さようなら。
恐らくもう会えないだろう大切な家族にそう一人呟き、私は床に敷いた毛布の上で1人涙を零した。
※※
____そして翌朝
昨夜同様、虚空に映像が浮かびいい笑顔をしたグルさんが映る。
《国民の皆おはよう。今日は絶好の鬼ごっこ日和だな》
『なんじゃそら…』
轟音で目が覚めた私は眠たい目をこすって起き上がり毛布を片付ける。小屋の外へ出れば確かに雲ひとつ無い青空で、空気がとても美味しい。
《それではルール説明といこう____ロボロ》
《はいよ〜》
映像がロボロに切り替わりいつものいい声でルール説明を開始し始める。
要約すると
･国民が逃げる側を妨害してはならない
･国民が逃げる側を支援するのは可能(1人だけだから)
･逃げる側を見掛けたとしても教えたりしてはいけない
･制限時間は丸一日。幹部達が降参するか、逃げる側が降参するかまでゲームは続く
･ぶっ通しはキツイので12時に1時間、18時に1時間の休憩を挟む(その間鬼ごっこは休止)
らしい。成程、単純でわかりやすい。
『要するに捕まらなければいいのね』
《さて、そろそろ開始時刻だが____A》
名前を呼ばれ思わず小さく体が跳ねる。
映像を見上げればあの深紅の瞳が細められ、優しい笑みを浮かべていた。
《我々は君を手放すつもりは全く無い》
『…』
《どんな手を使ってでも必ず我らの元へ連れ帰る。絶対にだ》
『…ふっ、やれるものならやってみてよ。グルさん』
互いにニッと笑みを浮かべ、ロボロが高らかに開始宣言をする。
《それでは…鬼ごっこ、スタート〜！》
スタートの合図のブザーが鳴ると同時に私は街の雑踏に紛れ込もうと駆け出した。
『必ず逃げ切ってやる…』
「さぁて、お手並み拝見といこうじゃないか」
最初で最後の彼ら(彼女)との遊戯
勝つのは____私(我々)だ！！！
あとがき→
.
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へまとふぃりぃあ - 設定を見るたびに思うのです。とんかつ…食べるの？ぬいぐるみの豚にその名前つけたの？銀の匙かな？ 以上です。とても面白く、そのうち腹筋が割れるのではと心配です (2020年10月9日 21時) (
レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
はな - ハゲハゲそんなのいーやーでお茶ふいた (2020年10月2日 12時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最近お返事返せずすみません。リアルがかなり多忙でして、言い訳とわかってはおりますがコメントは全部ありがたく読ませていただいております。皆さんありがとうございます。次章までまたお付き合い下さると有難いです。 (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 我々箱推しさん» 書き方が悪かったですね！完結は次章予定です！続編はその後に執筆します！ (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
我々箱推し - 完結&続編おめでとうございます！続編も、黒瀬さんのこと応援します！ (2020年9月18日 18時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
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