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「初めましてAさん。オスマン様からの命で今日から暫く私が貴女の身の回りのお世話をお手伝いします」
つぎのひ、熱から復活したわたしの元にメイド服を身につけたおぷろいてというお姉さんがやって来ました。
メイドさん…なのかな。とてもきれいな人だなと思った。
『…おねえちゃん』
「はい何でしょうか」
『ううん、その…なんか、うれしくて…よんだだけ…です』
「(可愛い)」
初めてできたおねえちゃんの名前をよべば、おねえちゃんは嬉しそうにわらってくれた。あとでまんちゃんにありがとうって言いに行かなきゃ。
※※
『あ、えーみーる』
「こんにちは。昨日は大変でしたね」
面白い本は無いかな、と図書室にやって来れば洋書コーナーからえーみーるがでてきた。おぷろいてちゃんは一礼し、わたしはえーみーるに駆け寄る。
「怪我は大丈夫なんですか?」
『いたくないから、へーき』
「だとしても安静にしなきゃダメですからね?」
『はーい』
おじさんから散々釘をさされてるし大丈夫だもん。
早速本をとろうと脚立にのる。
『うんしょ、ふん…ん゛ぬ゛〜っ』
「…見てて危ないので私が取りますよ」
その上で背伸びをしてもう少しで届きそうだった本をえーみーるがパッと取ってくれた。
もう少しでとれたのに。かほごだ。
『じぶんでとれたもん…』
「見ててハラハラするんです」
『むぅ…』
拗ねながら脚立から降りてソファーにすわる。そうすれば分厚い本を手にえーみーるが座ってきて、そっと頭を撫でてくれた。
『んぅ?』
「いえ、何となく撫でたくなりまして」
嫌だったらすみません、とえーみーるは手を離そうとする。だけどわたしは頭を押し付けるようにしてその手をうけいれた。
『もっとなでてー』
「はいはい」
まるで大きな猫ですね、と笑うえーみーるとわたしを見て、おねえちゃんは「紅茶をご用意しますね」と図書室を出ていった。
「…ホンマ、ゾムさんが羨ましいわ」
『?』
「こんなええ子が彼女さんとか羨ましいわ…」
えーみーるはハッとしたように「こうして頭撫でて後で食害されへんよな」と不安を感じながら呟いた。
『…』
「Aさん?」
『…そんなにいいこじゃ、ないもん』
最近わたしは何となく感じ取っていた
わたしが見るあの夢は…多分、"本当の私"の夢だ。
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へまとふぃりぃあ - 設定を見るたびに思うのです。とんかつ…食べるの?ぬいぐるみの豚にその名前つけたの?銀の匙かな? 以上です。とても面白く、そのうち腹筋が割れるのではと心配です (2020年10月9日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
はな - ハゲハゲそんなのいーやーでお茶ふいた (2020年10月2日 12時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 最近お返事返せずすみません。リアルがかなり多忙でして、言い訳とわかってはおりますがコメントは全部ありがたく読ませていただいております。皆さんありがとうございます。次章までまたお付き合い下さると有難いです。 (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 我々箱推しさん» 書き方が悪かったですね!完結は次章予定です!続編はその後に執筆します! (2020年9月18日 21時) (レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
我々箱推し - 完結&続編おめでとうございます!続編も、黒瀬さんのこと応援します! (2020年9月18日 18時) (レス) id: 89d985a64d (このIDを非表示/違反報告)
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